おひとりで、ご自宅で生活されていたAさん。
パーキンソン病はあるけれど、なんとかひとりでトイレも行けるし、お風呂も入れる。ご家族も、少し不安だけれど
まあ、まだまだ大丈夫と思っていていました。
お家は古くて、狭く、家具がいっぱい。
廊下も狭く、暗いです。
今後の為を考えて、ご家族は2世帯住宅を建築しました。
1階はAさんのスペース。
2階は息子さんご夫婦。
古い家具は処分し、明るくスッキリ、これからは、安全に安心して暮らせるね。
ところが、引越しして、すぐにAさんは転倒事故。
大腿骨骨折で、寝たきりに!
どうして、こうなってしまったのでしょう?
高齢者の方は、馴れ親しんだ動線(歩く道筋)を持っています。
起き上がる時は、このテーブルに手をついて、こっちの椅子の背もたれを支えに、よいこらしょ。
歩く時は、この壁をつたって、この手すりを持って、、、みんな、自分の動きやすいパターンを作って、毎日毎日、家の中で、同じ道をたどっているんですよ。
Aさんは、まったく変わってしまった間取りに身体が覚えきれず、つかまえられる家具が無くなって、転倒してしまったんです。
だから、高齢者のお宅は、勝手に模様替えしたり、邪魔だから、、なんて、椅子を動かしたりしてはダメなんです。
それが無くなっただけで、困ってしまうんです。
目は、白内障で濁ってぼんやりとしか見えない。
あるはずの支えが無くなってしまったら、とっても危険です。
Aさんのように、自分の馴染んだ家では、普通に暮らせている方は一杯います。
さて、Aさんが結婚式に参列したら?
行ったこともない、広い広い結婚式場。
よく似た扉、手すりのない広いフロア、いろんなところから聞こえてくる音楽。同じような服の人々。
そこは本当に安全かしら?
ご家族が考えている以上に、Aさんは、とっても不安なはずですよ。
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。