教えて!カイゴ (for wedding)

月刊レジャー産業 高齢者や病人なども参加できる“やさしい結婚式”の実現をめざす~

2018.03.08
月刊レジャー産業資料

妊娠した新婦をサポートするマタニティウエディングについては、
かなりサービス体制が整えられてきた観のある婚礼業界。
その一方で、足腰に持病を持つ高齢者や、術後で行動に不自由さが伴う人などの結婚式への参加は、
まだその取り組みも本腰を入れてなされておらず、顧客ニーズに応えられていない現状がある。
「ケアエスコート」のサービス名称にて結婚式専門の介護サポートを行う(株)フォーハートは、
この分野のパイオニア的企業だ。
同社のサービス内容と、業界側の受け入れ体制など今後の課題についてレポートする。

ソーシャル・ウェディング・ジャーナリスト 堂上昌幸

 主治医の許可さえあれば、結婚式へのエスコートは可能

 訪問介護サービスを行う企業を母体として2006年に設立された(株)フォーハート(本社 東京都武蔵野市)は、
これまで100か所以上の結婚式場で介護サービスを行ってきた。

「3~4年前からは当社のホームページを見た新郎新婦や母親だけでなく、
結婚式場からのお問い合わせも多くなり、実施件数も増えています。
高齢者ですと足腰の悪い祖母をなんとか出席させたいとのご要望が多く、
また両親世代では要介護状態の母親のケアエスコートを希望されるケースが多いですね」
(同社取締役部長 竹森利恵氏)。

 問い合わせに応対するのは主に5人のコンシェルジュで、
全員がケアマネージャーや介護福祉士の資格を有するほか、婚礼団体のプランナー資格も持つベテランばかり。
介護サービスの実施前には、必ずケアする当人の状態と、結婚式場の環境を実地で確認し、
ケアエスコートプランを策定してから臨んでいる。

それというのも、家族の申告だけでは当人の本当の状態がつかめないし、
また実際の現場を下見することで段差の存在やトイレの広さ、移動時の動線などがバリアフリー対応になっているかどうかを確認するためだ。

「この事前準備にかかる労力のほうが、当日のエスコートよりも数倍たいへんなのです」と竹森利恵氏。

なお当日は介護福祉士など2人の医療介護の有資格者が
自宅や有料老人ホームなどに介護タクシーを手配して出迎える。
その後、結婚式場に付き添って写真撮影時の手伝いや食事の介助なども行い、
無事に結婚式終えて元の居住地まで送り届ける。

サービス圏内は新宿を起点に半径30㎞、車で片道1時間以内が基本だが、
名古屋・大阪などの地方出張も別途料金で引き受けているという。

では、どの程度の状態であればサービスが利用できるのかを、
同社の営業担当でPT(理学療法士)やプランナー資格も有する竹森裕哉氏に聞いてみた。

「過去には末期がんで余命わずかな父親に付き添った例もありますし、かなり重い認知症の方でもしっかりとサポートしてきた実績があります。
認定区分では要介護3~5、つまり日常生活の全般において全面的な介助が必要なレベルまで対応が可能ですが、
もちろん重篤な病気を持っている方でしたら、主治医の許可は必須条件となります」

当日、介護スタッフはできるだけ目立たないよう対象となる人をケアする。
また途中で気分が悪くなった際のために、休憩に使える個室があると、さらにスタッフは安心して臨めるようだ。

 介護が必要な顧客を受け入れる研修事業もスタート

 ときには有料老人ホームなどの施設担当者から結婚式の介護サービスを受けたいという依頼が来ることもあるそうだ。

先述した末期がん患者のケースでは、主治医からも「ぜひ結婚式に連れていってください」と言われたそうで、
当人だけでなく、日ごろサポートしている周囲の人たちも、「体調さえ許せば結婚式に参加させてあげたい」とのニーズはあるのだ。

しかし、そうしたニーズに対応できていない理由や、課題となっていることは何だろうか?

「全般論で言えば、やはり命がかかっているサービスですから、
受け入れる施設側が『何かあっては困る』と及び腰になるのは仕方がないことだと思います。
そこに専門家集団である私どもの存在価値もあるわけですからね。
また細かなところでいえば車椅子を常備している場合でも、
介助用のものではない、あるいはそのメンテナンスや正しい取り扱い方法をご存じないといったケースですね。
さらに食事においても、アレルギー対応はすごくしっかりとされていますが、
体力が弱った方向けに嚥下しやすいよう食事内容ももうひと手間かけていただく必要があるのです」
(竹森利恵氏)。

 受け入れる結婚式場側にも、介護医療の基本的な知識も必要ということで、
同社では昨年から結婚式並びにホテル業務での高齢者サポート研修をスタートさせた。
施設面で高齢者や病中・病後のハンディキャッパーにやさしい施設なのか、
そして会場スタッフの意識と知見も、より高くしてもらう内容となっている。

ところで、結婚式場業は招待人数が多ければ多いほど利益が上がるビジネスだ。
加えてマタニティやアレルギーを持つユーザーには、ずいぶんやさしい環境をつくってきたが、
「孫の晴れ姿を見るのが生きがい」という祖父母や、
「娘の結婚式を見届けるまでは」と病に立ち向かう親の思いを受け止められずに断念してきたケースも多々あるはずだ。
アウトソーシングでそうした需要を取り込むこともできるとわかれば、対応の仕方も変わっていくはずだ。

最近は地域の婚礼団体や媒体が主催する「いい結婚式」コンテストの開催が増えている。
ファイナリストとなったプランナーが手がけた結婚式を発表する形式だが、
そこでは祖父母や両親も楽しみにしていたウエディングをいかに創り上げ、
参加したゲスト全員に感動をもたらしたかが審査の重要なポイントとなっている。

フォーハートも、そんな感動の結婚式を手伝いたいとの思いでスタートした事業だ。
また持病や体の不具合により、大切に思う身内の結婚式への出席を諦めかけていた人たちにも、
幸せな気持ちを体験できる機会創出のサービスともいえる。

こうした介護サービスの存在が大いに知れ渡ってほしいものだ。

レジャー産業資料 その2 レジャー産業資料 その2


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