高齢ゲストが結婚式に参加する場合、その道中も新郎新婦や家族の心配の一つです。
遠方から来てもらう場合や、移動が不安、介護が必要な時、新郎新婦や家族から式場スタッフに相談することもあるのではないでしょうか?また、前泊として、併設ホテルに宿泊する場合もあるかと思います。
高齢者にとって、実は和室よりも洋室のほうがはるかに過ごしやすいのはご存知でしょうか。
足腰が衰えてくると、畳のような床から直接立ったり座ったりするのは辛く、椅子やベッドのほうが楽です。とはいえ、ベッドが高すぎる場合には要注意です。
身長に合わせた高さ(できれば低め)でないと降りるときに転んでしまうことも。夜中、トイレに行くときに転びやすいので注意しましょう。
また結婚式当日は、家族はとても忙しいもの。別部屋の祖父母まで気が回らないこともあります。当社のスタッフが結婚式当日、ホテルの部屋に迎えに行ったら、床に飲食物が散乱し、本人たちの服はとんでもないことになっていて、慌てて着替えてもらったことがあります。慣れない室内や設備で大混乱したようです。高齢者の場合は家族と同室か隣部屋がいいでしょう。
車椅子で新幹線や飛行機に乗る場合は、チケット購入の時に必ず事情を伝えておくことを助言してください。車椅子用の対応をしてくれます。
新幹線には、車椅子用スペースつきの車両もありまし、駅構内の移動も駅員が手伝ってくれます。特に東京駅は人が多く、車椅子を押しながらの移動は大変です。事前に駅に相談すると、駅員が誘導してくれます。
車椅子で駅から式場、または自宅から式場に行く場合、介護タクシーが便利です。
ケアエスコートでは、いつも利用しています。また、介護タクシーだと、本当に重度で立てない人用というイメージですが、普段は歩いている方で、結婚式だけ車椅子を使うようなケースでも手配できます。
また、式場の車椅子が足らない場合でも、介護タクシーを利用するとレンタルできます。リクライニング型の特殊な車椅子をレンタルできる会社もあります。
普通のタクシーと違う点は、車椅子に乗ったまま運んでくれる点と、乗り降りの時に運転手が手伝ってくれることです。式場スタッフが手伝うよりずっと安心ですね。また、車の大きさによっては、普通のタクシー以上の人数が乗れる場合もあるので、お客様の交通費の節約になることがあります。
ただ、ほとんどが予約制なので、お客様に早めに予約をしてもらうほうがいいと思います。介護タクシーを探す場合は、まず出発地周辺で。料金も各社で違いますが、「普通のタクシー料+介助料やレンタル料」が一般的です。式場側が到着してもらいたい時間をしっかり指定して、介護タクシー会社にちょうどいい迎え時間を考えてもらうのがいいのでは。
また、介護タクシーは、車高が高いものもあるので、駐車場の高さ制限がある式場は要注意です。長時間待機の場合もあるので、駐車場がいる場合は教えてもらいましょう。
帰り道でのエピソードを一つ、ご紹介します。
新郎のお祖母さんは、あまり無理ができない方だったので、挙式だけの参加となりました。帰りの介護タクシーに乗る前、新婦からお祖母さんへ、お菓子の包みが届けられました。
「帰りの車内で食べてくださいね」。
私たちが受け取り、車内でお祖母さんが落ち着いたころ、包みを開けました。中にはお菓子と一緒に新郎新婦からの手紙が入っていました。
もうすっかりあたりは暗くなっていて、車内も真っ暗です。目の悪いお祖母さんだったので、代わりにスタッフが声をだして読みました。
手紙には感謝がつづられ、最後には「また、遊びに行くからね」の言葉が綴られていました。
お祖母さんは、その手紙をじっと握りしめてさすっていました。
そして、何度も何度も、「もう一度読んでください」と頼み、読み返しました。読み上げるたびに、お祖母さんはとてもうれしそうな笑顔で泣いていました。
身体が不自由だと、なかなか遠出は難しいものですが、いろいろな方法があるので、ぜひ便利な情報をゲストに提供してください。一生に一度しかない結婚式。参列できるよう、ぜひ手以南してほしいものです。
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。