教えて!カイゴ (for wedding)

ブライダル産業新聞 コラム第12回 超高齢化社会に突入していく日本

2018.10.19

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介護の視点から見るいい結婚式の作り方
連載12

高齢ゲストへの注意点

今まで11回にわたって、高齢ゲストが結婚式に出席するときの注意点をお伝えしました。これから、日本は、超高齢社会に突入し、結婚式も、80代、90代のゲストが増えていきます。若い方と高齢者は、身体そのものが違います。式場スタッフも高齢者の特性や注意点をしっかり熟知して対応しなければ、思わぬ事故になってしまうことも。では、今までの注意点をまとめてみます。

 

式場の設備、備品について

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①車椅子の用意と整備

普段、歩いている方でも、結婚式では、立っている時間、歩く距離が負担になります。不安があれば車椅子を勧めたいもの。また、車椅子に座ってもらったほうが、移動中の事故も防げるので、ぜひ用意をしましょう。また、こまめな点検や整備も必要です。

②段差のチェック

わずかな段差やカーペットのめくれでも、高齢者はつまづいてしまいます。転倒は必ず骨折につながるので、危険な場所がないか、常にチェックしてください。ガーデンや神社の境内は、石や木の根もつまづく原因になります。

③多目的トイレ、化粧室

多目的トイレは、出来れば会場内に1か所以上は欲しいもの。また、通常のトイレも照明の明るさや床材の滑りやすさにも気をつけて下さい。

④休憩室の用意

休憩室を・・と頼まれたとき、用意できますか?個室で、ゆったりできるソファやベッドがあると安心です。

 

式場スタッフの心構え

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高齢になると、身体の色々な部分が不自由になってきます。

①目が見えにくい方の場合

具体的な声掛けが必要です。「前に進んでください」ではなく、「前に3歩進んでください」など、わかりやすく、説明しましょう。

②耳が聞こえにくい方の場合

手ぶりを使って大きな動作で伝えましょう。声掛けのタイミングにも気をつけて。

③高齢者への声掛けや指示

高齢者は移動時間が3倍かかると思っておきましょう。移動やお手洗いのタイミングは、早め早めで。しっかりかがんで、目をみて伝えましょう。

④認知症の場合の注意点

認知症の症状は一人一人違って、対応は難しいものです。結婚式は、自分がどこにいるのかわからなくなって不安に感じがち。親族や顔見知りの方に協力を得ながら、安心してもらうことが大事です。スタッフは、必ず笑顔で対応しましょう。また、疲れは、問題行動につながります。顔がこわばってきて機嫌が悪くなりそうだったら、早めに休憩をとってもらいましょう。

⑤転倒事故に要注意

もしも、転倒してしまったら、必ず病院に行くことを勧めてください。その場で痛くなくても、骨折の可能性があります。

⑥料理は要注意。死亡事故にも

高齢者が食べやすい食物の大きさは、1㎝角以内で、厚みは0.5㎝まで。のどにつまると死亡事故につながります。

⑦結婚式の最中に発病も

結婚式では、飲酒や緊張によるストレスがつきもの。心筋梗塞や脳卒中の場合は緊急対処が必要です。また、低血糖や持病の悪化もあるので、的確な判断や対応が必要です。

大好きな家族が出席すること

とはいえ、結婚式が何のため、だれのためというと、ほとんどの方が、「家族に祝ってほしい」と願っています。どのゲストよりも大好きな祖父母に見てほしいという新郎新婦は多いもの。昨今は、晩婚化のため、両親にもサポートや介護が必要になる時代になりました。

結婚式が少しずつ減っている時代ですが、高齢のゲストを呼びたいというカップルは、家族を大事にし、親孝行をしたいという、しっかりとした考えを持つ人たちです。結婚式場もその気持ちのサポートがいかにできるか、試される時代になってきました。イベントの内容や形式はその時代の流行に合わせて変わっていきますが、この「家族の絆を大事にしたい」というキーワードだけはこれからも一番重要で普遍的なものだと思います。

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12回に渡って続けてきた連載、いかがだったでしょうか?なにか学べるものを発信できたのなら幸いです。1年間ありがとうございました。

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