祖父母や高齢のゲストが出席する時、万が一を考えて休憩室を用意する新郎新婦も多いようです。私たちが介護サポートをするとき、結婚式場で、休憩する場所はないか?を、必ず確認します。
結婚式場では、急には、個室や休憩場所を準備してもらえないので、予めプランナーさんに相談しなければなりません。
休憩場所があるかないか、会場によって様々です。安心して出席してもらうためにも、出席者の打ち合わせの時に式場担当者に聞いておきましょう。
ホテル
新郎新婦が前泊していた部屋をそのままキープしたり、挙式や披露宴会場の近くの部屋を確保することが多いようです。この場合、有料になることが多いので、新郎新婦からプランナーさんへ連絡してもらった方が、スムーズです。
専門式場
ブライズルームや多目的ルームを休憩室につかえる場合があります。ただ、ゲストの方の更衣室になる場合もあるので、使える時間を確認しましょう。
大きい専門式場でも、プライベートの部屋がない場合が結構あります。横になってもいいスペースがあるかどうかは、打ち合わせの時、確認しておきましょう。
レストラン
個室がない、更衣室しかないなど、プライベートルームとして、借りられないこともあるので、事情をよく説明して、工夫しましょう。
神社
通常は挙式だけ行われます。控室や親族紹介する部屋はあっても、ゆったり休める部屋はないことが多いです。
教会
通常、挙式だけ行われます。親族紹介のための控室や親族紹介する部屋さえもないかもしれません。
寝たきりの方は、必ず横になって排泄ケアを行うことになりますので、プライベートルームが必須です。ベッドへ寝ていただき、おむつを交換することになります。
また、傷の手当なども、会場では気が引けるので、プライベートルームのほうが安心です。
また、高齢者や体力が落ちている方には、にぎやかな会場から離れて静かに過す時間が必要です。出来れば、ベッドやソファで横になって休憩してもらいましょう。
重要なのは、席を外すタイミング。結婚式の流れをあらかじめ知っていると、席を立つタイミングが図れます。
スケジュールの一例
①10:00集合
②10:30親族紹介
③11:00挙式開始
④11:30フラワーシャワー
⑤12:00ウェルカムドリンク
⑥12:30披露宴開宴
⑦15:00おひらき
披露宴での新婦様が中座した後に席を立つのが一番おすすめです。お色直しは、30分から40分かかるので、この間に、お化粧室も済ませ、15分くらい横になることが出来ます。
ただ、休憩の部屋が、披露宴会場から離れている場合もあります。ホテルは、客室の場合、棟や階が変わることもあります。移動に何分かかるか考えておきましょう。
座位(座っている姿勢)を長時間とっていると、お尻が痛くなった経験がないでしょうか? 通常は、痛くなったら、自然に身体の向きや腰の位置を変えたりしています。
しかし、高齢者や身体が不自由な方は、自力で姿勢や向きを変えられない場合があるのです。ずっと同じ姿勢でいることで、同じところに圧が加わり、悪い場合は褥瘡(じょくそう・床ずれのこと)が出来てしまいます。
小さい褥瘡(じょくそう)でも、一度できてしまうと、大変痛く、傷が皮下に侵食してしまうこともあります。
できやすいのは、骨が突起した部分です。
たとえ結婚式中でも、身体の向きや体重がかかる場所を変えることをおすすめします。
立ち上がれる方の場合は、少し立ったり動いたりするだけでも違います。お化粧室に行ったり、自分の席で立ち上がるだけでも、ずっと座ったままよりは、良いのです。これは、車椅子に乗っている方でも、椅子に座っている方でも同じです。
また、足のむくみも気をつけましょう。体力があり、健康な方でも、長時間座っていると、足が重いと感じたことがないでしょうか?
次に、「なぜ横になることを進めるのか?」むくみが気になる場合です。
私たちは、披露宴中などで、お客様の足を見て、むくみを確認します。
女性のお客様は、ひざ丈のストッキング、男性は靴下のゴム部分が意外ときついので、ふくらはぎにくっきりゴムの跡が出来てしまいます。
自分でも気かないときがあるので、付き添う方が注意してみましょう。
休む機会を設けておくと、むくみの確認ができ、緩めることが出来ます。
結婚式での休憩についての2つのエピソードをご紹介します。
1つは、車椅子で参列された新郎のお母様のお話です。
ご病気で、体力もなく、食も細くなっていましたが、息子様のハレの日にあわせて、ずいぶん前から、ご自身で体調管理を行ってきました。ただ、披露宴は長いので、最初と最後の挨拶以外は休んだほうがいいのではと、ホテルの部屋を借りました。
でも、結局、その部屋には、挙式から披露宴のお開きまでの間、たった1度、それも3分くらい立ち寄っただけでした。一見、無駄になったような個室の予約でした。
お部屋に入ったとき、お母様は、とてもお疲れの様子で、私たちから見ても、体力はとっくに限界を超えているようでした。
でも、「静かでいいわね。」と、言いながらも、横にならず、少しだけリラックスされました。
横になるとそのまま眠り込んでしまう・・・。それが嫌なの・・・とそっと教えてくださいました。
そして、「もしも、途中で、もう無理・・と思えた時、この部屋に行けばいいんだと思えばとても心強い。ほんの少しの間でも静かな部屋で、リフレッシュができたわ。」お母様は、そう言って、会場に戻りました。
車椅子で出席されたお祖父様の場合は、個室でゆっくり休憩できたおかげで、最後まで楽むことができたケースです。
挙式と披露宴の間に、15分だけ休む時間がとれたので、車椅子に座ったまま、足だけベッドの上へ伸ばしてもらいました。
「やっぱり、足をあげると楽だな!」と、しばらく目を閉じていました。大腿部がだるい感じがあるそうで、しばらくさすってさしあげると、痛みが緩和したようでした。
その後、披露宴が開宴し、花嫁姿のお孫様との一秒一秒を大切に過ごしていらっしゃいました。披露宴中は、一度お化粧室へ行っただけで、休むことなく楽しく過ごされました。たった15分でしたが、休んでおいてよかった例です。
お招きしたゲストの方全員が、快適に過ごしているかは、なかなか新郎新婦からは、わかりません。
ご祖父母様や介護状態にある親御様、お身体に不自由がある方には、少し多めの配慮が必要です。
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。