結婚式はお祝いの日ですから、準備やサポートがあれば、介護が必要な人でもお料理を存分に楽しむことが出来ます。ただ、先日も式場の方から、高齢のゲストが増えているが、式場スタッフは配膳に手一杯なので、大変困っているとお話がありました。ただ、食材を切ればいいというものではなく、その方の状態に合わせることが重要です。
介護の状態は、落ち着いている人もいれば、状態が変わりやすい人もいます。結婚式の直前には、必ず、食べ物の形状や食べてはいけないものが、変わっていないか、確かめてから出席しましょう。
結婚式の楽しみの一つに、食事があります。
披露宴で、新郎新婦のはじめの挨拶がお料理の紹介であったり、シェフがメニューの説明をしてくれる演出があったりします。披露宴の中のお料理の比重って、とても大きいですね。
披露宴の料理は、どのメニューが人気でしょうか?
マイナビさんのアンケート結果のコメント欄を見ていくと、メインの料理に、お肉を選ぶ新郎新婦が多いようですが、年配ゲストに考慮して、あえてメインにアワビや魚を選ぶカップルもいました。
44.7%の和洋折衷を選んでいる理由には、なるべく幅広いゲストに楽しんでもらいたい。ということでしょうか。
36.3%のフランス料理を選んでいる新郎新婦も、年配のゲストにも食べやすくアレンジしたフレンチのようです。祖父母のことも考えて、料理を選んでいるカップルがいることが、よくわかります。
ゲストの期待も料理にある
そして、呼ばれたゲストも披露宴の何に満足したというアンケートで「料理」が、ダントツ1位!です。
なので、呼ぶ方も、呼ばれる方も、料理に気合が入っています。
実は、介護が必要な方も、お食事を本当に楽しみにしています。ケアエスコートの打ち合わせで、ご家族から「そんなには食べないはず」「小食です」と伺っていても、実際はしっかり完食されるお祖父様、お祖母様がとても多いのです。
ですので、私たちも披露宴では、気合を入れて、召し上がってもらっています。
結婚式の料理は、自宅の食卓に並ぶ料理とは違います。盛り付けの美しさを重視しているので、グラスや食器、装飾品も、普段の食卓とは異なります。
なので、食事ケアは、その方のレベルやメニューごとに違います。
・手にマヒなどがあり、動かせない方
・ナイフとフォークを持つ力がない
・箸で食べたい
対応方法:食べやすい大きさにカットし、フォークや箸でつかめる場所へおいて、声をかける。もし、箸やフォークがうまく使えない場合は、スプーンで様子を見る。
自分の口元へお皿を持っていく方法で運びたい場合は、小皿を借りる。
・寝たきりの状態の方
・身体が震えてしまう、こわばってしまう方
対応方法:食べやすい大きさにカットし、食べる介助を行う
・認知症状で、何でも口に入れてしまう。
対応方法:料理を手でつかんでしまったり、お料理の飾りを食べないように見守って、本人が恥ずかしい思いをしないようにする。お食事の時間を楽しんでいただけるよう、気持ちにもあわせていく。
・胃ろうのため
・食事制限がある
対応方法:食べれないけれど、テーブルにお料理を運んでもらうか?を考える。
対応: 運ばれてきたメニューの名前・盛り付け方・色・食材・形出来る限り、イメージできるよう口頭で説明してから、食べてもらう。いつもと同じように、結婚式でも食事介助する。
どのケースも、料理の熱さがわかりにくいので、スープは冷ましてから飲んでもらったほうが安全です。
自分で食べられる場合は、自分のペースで、自分で選んで、口に入れた方が、断然おいしいのです。
また、パンや繊維の多い食材、海藻類、葉物などは、噛み切れず、口の中にモゴモゴ残ってしまうものがあります。
口の中でモゴモゴしているものは、本人が飲み込めずに困っている状態なので、気づいて、出すように促してあげましょう。出せずに、飲み込もうとしてしまうと、のどにつまらせて、大変なことになります。
誤嚥に気をつけましょう。
事前にチェックしておくべきこと
普段食べている食事形態を必ず確認しましょう
通常、介護される人が、何をどんな食形態で食べているのか。知っておく必要があります。なぜなら、結婚式で運ばれてきた食事の中に、その人にとって、食べれるものか食べれないものか、の判断が直ぐにできるからです。
もし施設などで生活していて、普段食べている食事の形態が、分からなかったら、施設のケアマネージャ-や介護士、看護師に聞きましょう。
また、自宅で生活している人は、通院へ一緒に行く人・一緒に生活している家族・その方の食事を調理してくれる人・食事の買い物をしてくれる人に聞きましょう。
普段食べている食事は、事前に必ず確認しましょう。
食事は、視覚と嗅覚が重要です。視覚は、みることで食欲を増進してくれます。嗅覚も同じように、香りが食欲を誘ってくれます。また想像力も、食欲をそそってくれます。
例えば、メニューを見ると、どんな料理が運ばれてくるのか、想像力が膨らみ、身体が、食べる準備をしてくれます。
どんな料理が運ばれてくるのか。
どんな味なのか。
盛り付けも楽しみです。
高齢者も、披露宴の華やかな雰囲気の中で、素敵な盛り付けの香りや色どりを十分味わいます。
1. 状態によって、介助方法が全然違う
2. 食べ物の中には、危険なものがある
3. アレルギーや、薬の飲み合わせに注意が必要
4. 普段食べているものを把握するのは重要
5. 食事は、視覚と嗅覚と想像力も重要
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。