教えて!カイゴ (for wedding)

「車いすだから」とあきらめないで!式場の段差、階段にはスロープが使えます!!

2019.10.25

介護で使うスロープについて

車いすで参加される方のエスコートで、結婚式場に段差がある場合、スロープの設置をお願いすることがあります。

スロープ・・・英語表記では、slope(意味としては、傾斜面・斜面・勾配)です。介護をする場面では、段差に置く板状の用具の事を、「スロープ」といいます。

スロープを置くことで、車椅子(車輪のある歩行器)でもスムーズに昇り降りができるようになります。また、筋力が弱くなった方が、またぐ動作をしなくてもよくなる、という利点もあります。

「介護用スロープ」と検索すると、いろいろな形や素材のものが出てきます。ほとんどのものは、真ん中で折りたため、サイドに持ち手がついていて、持ち運びするタイプです。

 

スロープは置く方向が決まっているので、適当に置くと事故になります。段差へこの部分までひっかけてください。という箇所が定められています。また、全ての場所に設置できるわけではないので、気を付けてください。

最近は、ご高齢のゲストが増えているため、結婚式場でもスロープを用意しているところが多いようです。必要な時だけスタッフが用意し、すぐ片付けて、美しさを保つ感じです。

 

結婚式中でスロープが登場した場面をご紹介

私たちは、結婚式場の下見に伺い、スケジュールと場所を確認します。会場や廊下は車いすでも通れるような仕様でも、細かく見ていくと段差があることが多いのです。会場にスロープの用意があるときは、プランナーさんと打合せし、準備をお願いします。

 

1.庭と室内をつなぐ扉から廊下へ

結婚式では、写真撮影を色々な場所で行います。チャペル、庭、階段でも良く撮影しています。

その結婚式では、チャペルで挙式が終わり、中庭に出て、フラワーシャワー、写真撮影がありました。

中庭から室内へ戻る時の入り口が、足元から床面までが20cm以上あり、スロープの準備をお願いしました。事前にお願いしていたので、式場の担当者が、直ぐにセッティングしてくれました。

 

2.披露宴会場への出入り

ホテルには、披露宴会場が和風や洋風と趣向が凝らされ、何会場もあります。

この日は、絨毯で敷き詰められたホールをぬけて、間口の広い、和テイストの披露宴会場へ案内されました。ゲストは靴を脱いでの入室です。

和のイメージにぴったりの木製のレール式の木製のスロープがさりげなく準備されていました。
あがりかまちの高さは15cmくらいありましたが、車椅子はそのまま上がることができました。

3.チャペルが中段下の構造だったため

多くのホテル内のチャペルは、最高の景色が満喫できるよう設計されています。

この日は中段階の下にチャペルのある構造のホテルでした。

チャペルへの入場と退場の扉は別になっていて、両方が3段ほどの階段でした。車椅子で到着すると、式場スタッフさんがスロープを直ぐに設置してくれました。挙式後は、一番最後にスロープを設置してもらい退場となりました。

 

結婚式場への道中でも。

介護タクシーの乗降で

車椅子で生活している方は、家やホテルから結婚式場へ移動する時、介護タクシーを利用することになります。

介護タクシーには、車にスロープが搭載されています。

スロープはリモコンで操作、自動で車両から出てきます。そのスロープの上に車椅子ごと乗せてもらえます。スロープ面に設置されているベルトで車椅子が固定されます。それからウィーン・・・と後部のスペースに、スライドされて動いていきます。後部座席に座ったような形になり、車椅子にもちろん座ったまま、シートベルトをかけてもらって乗車完了です。

乗降は、機械の操作があるので、運転手さんにお任せします。走行中は、運転に集中してもらいます。

 

新幹線を利用する時に

遠方から、結婚式へ参列する方も多くいるでしょう。結婚式に限らず、新幹線に車椅子で乗りたいときは、列車への乗車時・降車時ホームと列車の隙間に車輪が落ちないように・段差が無くなるように、スロープを設置してもらえます。

車椅子で乗車する場合は、席の予約時、構内での駅員の付き添いの有無を、聞かれます。

混雑時に、駅構内を車椅子で進むのは、かなり大変です。駅員さんの付き添いをお願いしたほうが安全です。介助する人が一緒にいたとしても大きな声で、「通りますので、道を開けてください」と呼びかけてくれますので、車椅子の通り道が簡単にできます。

列車内は、車内担当の駅員さんが乗降時や、途中でも声をかけてくれ、かなり親切です。

 

スロープ・・・どんな場合に必要か、ケアマネジャーに聞いてみました!

自宅で生活している方を担当している現役ケアマネージャーによると・・・・

住宅改修までは必要ないけど、生活に支障があるなと思ったら、スロープの検討をするそうです。

どんな福祉用具を使用しているか(車椅子の方や歩行器)から見ていくそうです。

◎自宅の中や外で細かい段差

◎あがりかまちが高い。

◎玄関扉の高さのある敷居  

介助する人の力量もあるので、総合的に判断するそうです。スロープを置くことで、日常生活がスムーズになり、転倒防止にもなるんですね。

 

最後に

私たちが何気なく上ったり下りたりしている場所でも、実は「入れる・入れない」問題があります。

結婚式の会場やレストラン、神社、そして、道中や日常の場面でも、車椅子の人、歩行器を使っている人、杖を使っている人にとって、「入れない」「通れない」場所はたくさんあるのです。

結婚式場を見るときに、少し目線を下げて、気をつけながら考えてみてください。大切なゲストがスムーズに動けるのか?準備は大丈夫か? もし不安な場合は、ぜひ式場スタッフに事前に相談してみてください。

    


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