数々の結婚式(格式高い超一流ホテルや式場も多いですよ)で介護のサポートした経験から、15個のポイントをお教えします。一番重要なのは、ご本人の着心地とサポートのしやすさ!!です。
依頼者から受ける一番多いご相談は、結婚式の祖母の服装についてです。祖父母となると、フォーマルの程度がわからない・・。
さらに、高齢で介助も必要となると、どんな服装がベストなのか?準備品はなにがいるのか?いろいろわからないことが多いようです。
一般的に祖父母の服装は、新郎新婦の両親よりもやや控えめ、両親が正礼装だったら、祖父母は正礼装又は準礼装になります。
でも、それよりも一番重要なのは、ご本人の着心地とサポートのしやすさ!!(これがポイント!!)
さらには結婚式なので、「華やかさ」も必要です。介護する方からみると、サポートしやすいほうがいいのですが、ご本人のご希望も大切にしたいもの。
最近のご相談です。
「母(ご祖母様)はとってもおしゃれで、以前はよく出かけていた。結婚式は、久々の外出なので、おしゃれをさせて、食事も楽しんでもらいたい」
でも、洋服はご祖母様が管理しているので、どんなものを持っているのか、わからないし、時代遅れかもしれない、、、、
とのこと。
その時は、私たちがご訪問した時に、ご本人と一緒に、お持ちの物をチェックして、色々アレンジしてみました。
結婚式の洋服で、様々なルールを見かけますが、豪華なホテルや式場では、いろんな方がいろんなお召し物を着ているので、少し華やかでおしゃれでしたら大丈夫ですよ!
【もくじ】
洋服について
①高齢の場合は、洋装がおススメ!!
②洋装は、上着とパンツの一択!!
③上着は、前開き、軽い素材、少し大きめ
④インナーは襟ぐりがポイント(追記)
⑤パンツ(ズボン)がオススメ
⑥スカートだったら、ツーピース!
小物について
⑦あると助かるのは、ひざ掛け
⑧ 靴下、ひざ下ストッキングで
⑨靴は、楽なもの重視
⑩ネックレスは、重さと長さに注意
⑪コサージュは、簡単に華やかに
⑫イヤリングは、顔周りが明るく
⑬バッグは、持たなくても大丈夫
⑭スカーフやストールは、便利
その他
⑮無理をせずに、少しだけおしゃれに
・祖父の場合は準礼装がほとんど
・追記 冬場の結婚式の防寒対策
お祖母様の場合、やはり黒留袖が多い印象がありますが、高齢だったり、要介護の場合は、洋服がおすすめです。
理由は、次の2点で、とっても重要です!!
ケアエスコートに依頼される方が、一番心配するのが、結婚式場でのお手洗いのこと。
初めて行く場所なので、もし失敗したら・・・これが一番の不安です。
失敗って、「間に合わない」「汚してしまう」です。 もしも失敗したら、ご本人にとっては、とっても辛い日になってしまいます。
また、結婚式の日は一日長いですから、出来るだけ疲れないように、身体に負担がかからない楽なスタイルが良いのですよ。
ということで、何枚も着物を重ね、ひもや帯できつく縛る和装よりも、簡単に脱ぎ着ができて、締め付けの少ない洋服がいいのです。
最近では、ご両家のご祖父母様のお召し物の格のバランスは、ご新郎ご新婦のご両親と比べると、それほど気にされていない場合が多いようです。新婦のご祖母様は和装で、ご新郎のご祖母様は洋装という場合も、よくお見かけします。
デパートでフォーマルを扱っているお店に伺ったところ、「フォーマルドレスは、流行に左右されないものがほとんどなので、お手持ちのフォーマル服でも大丈夫です。小物を変えるだけでもイメージが随分変わるので、持っている洋服があれば、お洋服に合ったインナーやアクセサリーを提案します。」とのことでした。
※追記
介護が必要な方の場合、着やすくて、楽な服装であることは、とっても重要です。
でも、絶対に留袖を着てはいけないということではありません。「どうしても、留袖を着たいと言っているのですが・・」というご相談も結構あります。また、新郎新婦さんのお母様の場合は、ぜひ留袖で、という想いもあります。
少し前、介護3の寝たきりのご祖母様で、留袖を希望されました。
リクライニング車椅子でのご参列となり、着付けは、結婚式場のサロンでしていただきました。私たちエスコートスタッフも、着付け時に、お身体を動かしたりしながら、サポートをさせていただきました。
身支度が整っていくごとに、ご祖母様のお顔が晴れやかになっていきます。
髪はカーラーでセットしてもらい、口紅の色は、赤、を選ばれました。
「素敵ですね。」とお声をかけると、「ほんとうに、しあわせです。」とポツリとおっしゃいました。帯が心配で、ご様子を見守っていた着付け師さんも号泣です。
この方は、ベッド上での、排泄ケアでしたが、お着物がくずれることはありませんでした。ただ、締め付けるので、挙式までお着物で参列し、披露宴は、ワンピースに着替えて
頂きました。
留袖のように着物の場合は、サーポートが必ずいること、なるべく長時間着続けないように、色々計画することが必要です。
ワンピースかツーピースか? 丈もロングなのかミディアムなのか?パンツスタイルはありなのか?洋服といってもいろいろです。
私たちが提案するのは、
ずばり 上着にパンツというスタイル。
少しフォーマルで華やかな上着に、はき心地のいい黒などのパンツ(ズボン)が一番おすすめなスタイルです。一番汚してしまうリスクがあるのは、ロングスカート。生地が滑りやすく、お化粧室ではより慎重に扱う必要があります。
上着は、前開きの物をおすすめします。
高齢になると、腕が上がりにくく、腕の可動域が狭くなるので、前開きが楽です。
腕の付け根から、背中にかけてのゆとりは特に大事です。高齢になると背中が丸く前かがみになるので、サイズも少し大きめのほうがいいです。窮屈な服を長い時間身に着けていると、若い方でもくたびれます。
試着の時のチェックポイント
①着丈が短すぎないか?
②着たとき、肩を回してみて、ゆったりしているか?つっぱっていないか?
③そでたけが長すぎないか?
結婚式では、お辞儀をする機会も多いです。また、拍手をしたり、お食事をしたりするときに、肩、ひじが窮屈だと辛いですし、そでが長すぎると、お食事の邪魔になります。
ジャケットは、ノーカラーやスーツ感のあるテーラード、軽いブラウスの様なもの、少し透け感のあるレース素材などがあります。
ノーカラージャケットやテーラードジャケットを選ぶときは、長時間座って居てもお腹が圧迫されないか確認しましょう。
また、立ったり、座ったり、食事したりするときに、腕の動きが制限されないか?肩幅やウエスト周りに余裕があるか?みてくださいね。
ジャケットだと着慣れなくて、窮屈に感じる方も多いです。
麻痺や拘縮がある場合は、ジャケットよりも、少しフォーマルな感じのカーディガンなど、柔らかい素材のトップスもおすすめです。
色は、シャンパンゴールド、シルバーグレー、パープル、オフホワイト、ベージュ―、黒など、シックで無難な色が好まれていますね。
お祖母様が嫌いでなければ、明るい色が華やかできれいです。
おめでたい雰囲気になるし、表情も明るくより生き生きと見せてくれます。
式場では、「ちょっと派手かな?」と思うような色でも、意外と馴染んでしまうから不思議。
明るい色に抵抗がある方には、レースやラメ、光沢のある素材、アクセサリーで華やかさをプラスしましょう。
追記
そんなに介護が重くない方の場合は、出発時には、ライトな装い、例えばカーディガンにズボンというお召し物で、会場についてから、留袖やフォーマルのドレスに着替える方もいらっしゃいます。
また、シックな黒で統一する方、フォーマルジャケットの色と同系色で、アンサンブルをご準備する方もいます。昔着た古い物ではなく、新しい装いをお祖母様のために用意されるご家族も多いようです。
下着やインナーについても、よく聞かれることの一つです。また、うっかり忘れてしまうアイテムでもあります。
少し前、花婿さんが、高齢のお母様の洋服の用意をされた時の事。
当日の朝、私たちが洋服を確認すると、襟ぐりが大きく開いたワンピースだけ。
インナーはなく、下着は、普段使いの肌色のものしかありませんでした。
慌てて、切り替え襟を裏側で深く合わせて、安全ピンで止め、下着が見えないように工夫しました。ツーピースの袖も七分丈だったため、下着の長袖シャツの袖は折り曲げて、隠しました。
下着に直接洋服を着るかどうかは、洋服のデザインによります。ジャケットで隠れるのなら、肌着(タンクトップやキャミソール、丸襟の長袖や七分袖の肌着)だけでも大丈夫です。
肌着の上に、シャツブラウス、シフォンブラウス、カットソーなどを重ねて着る方もいますが、あまり重ね着すると、かがんだり、腕を使うときに窮屈になります。
肌着をインナーとして着る時の注意点
①その上に着る服から、肌着が見えないか、透けないか?
・できれば、洋服と同じような色
・黒色は無難にどの色でもあいます。
②えりぐりから下着が見えていないか?
レースがあしらわれたもの
インナーを用意するときには、華やかになるものがお勧めです。
いつものツーピースに「モックネック」のインナーを合わせれば、ドレッシーにできます。また、ジャケットの襟や袖口から少し、レース素材がのぞくだけで、イメージがぐっと変わります。ただし、レース素材は、ささくれや割れた爪に引っ掛かりやすいので、着る前に爪のお手入れをお願いします。
※モックネックは、ハイネックより襟が短く、折り返さないタイプの襟のデザインのことです。首周りを気にするシニアの方にピッタリです。
シャーリング加工
首・袖がシャーリングだと、レースでなくても、たっぷりフリルが寄っているので、カチッとした礼服の中に、ロマンティックさをプラスできます。シャーリングとは、洋裁で細かめのギャザーを寄せて、生地の表面を波上にみせる手法があります。また、シャーリング加工された袖口・襟は伸びるので着替えの時に楽です。
伸びる素材
ここ最近、ファッションでも、伸びる素材でデザインされた、おしゃれなものを目にします。これは、麻痺のある方でも、手伝ってもらえば、着ることができます。
商品を手に取って、ちょっと袖を入れてみると、伸びる素材かどうか分かります。標示に・ナイロン・ポリウレタン、とあれば、だいたい伸びる素材です。時間があれば、試着もしてみてください。
伸びる素材でレース使いは、コットン100%ではないので、肌に直接触れてかゆくなる場合もあります。その場合はコットン100%の下着を着てから着れば、痒みも少なくなるでしょう。
深めのスリット
伸びる素材に加えて、デザインで背中にひとつボタンのタイプでスリットが深く入っていれば、麻痺の方でも、着れる場合があります。麻痺側から袖を通して、頭部を通して、もう片方の肘まで通れば、着れます。
ケアエスコートでは、パンツ(ズボン)をおすすめしています。
理由は、介助がある場合でも、ない場合でも、お手洗いのとき、スムーズに、簡単に脱ぎ着できるからなんです。
ズボンは、下ろしますが、スカートは上げます。上げるほうが大変だし、便器の中につけてしまったり、終わった後、スカートを下着に挟んだりする失敗もあります。
本人が自分でするにしても、介助者がサポートするにしても、ズボンのほうが圧倒的に楽です。
また、歩く時も、ズボンのほうが歩きやすい。スカートの場合、タイトだと歩きにくいし、ひらひらボリュームがあると、足にまとわりついて転びやすいのです。
パンツ(ズボン)を選ぶポイントは3つ!!
①ウエスト部分が、ゴムタイプのもの
②丈は、くるぶし位の長さ
③裾は、広がっていないもの
①ウエスト部分が、ゴムタイプのもの
ウエストに、ホックやチャックがあるタイプだと、お手洗いや着替えの際、外したりつけたりするのに時間がかかります。(集合時間前やイベント前は焦って余計に時間がかかるかも・・・・)
ゴムタイプであれば、ズボンの上げ下げだけで済むので、介助する人も楽。また、車椅子の方は一日座って居る時間が長いので、ウエスト周りに余裕があるゴムタイプの方が、締め付け感なく楽に過ごせますよ。
②③丈は、くるぶし位の長さで、裾が広がっていないもの
丈が長いと裾を踏んで転倒したり、車椅子から立ち上がる際に、裾が車椅子の足置きに引っかかって、前につんのめってしまう事もあり、危険!!
反対に短すぎると、車椅子に座って足置きに足を置いた際、足首やスネが見えてしまうので、必ずチェックしてください。
スカートだったらツーピースで。上下の組み合わせ次第で、フォーマルになります。
ワンピースは、一体型なので、もしスカートを汚したら、全部着替えないといけません。
また、お手洗いの介助の時に、持ち上げにくく、止めにくいのです。
ツーピースのスカートだと、ウエストで止められますね!!
婚礼に参列する際の洋装なので、やはりロングドレスをお召しになりたい方も多いと思います。その場合は、しっかり対処方法を考えてお出かけしてください。
ロングスカートは裾を踏んで転倒の危険があるので、長すぎて、踏んずけてしまわないか、確認が必要です。
ロングドレスの時は、ゴムやクリップ、洗濯ピンチなどを持参で。
お手洗いの時、裾をしっかり持ちあげて服の上で止めれば、汚れにくくなります。
また、逆に丈が短いと、車椅子に座って足を足置きに置いたとき、足が丸見えになってしまいます。寒い時期だと足元から冷えてくるので、長さは要注意ですよ。
ズボンでもスカートでも、ひざ掛けがあると何かと便利なので、ぜひ持って行ってください。防寒対策はもちろん、足元や汚れを隠したりと、いろいろ使えます。ちょっとおしゃれな感じだといいですね!!
ただ、その素材によって、繊維が洋服についてしまうこともあるので、ブラックスーツの時などは、用心が必要です。
また、写真撮影の際は、できれば、せっかく素敵なお召し物を着ていますので、ひざ掛けは外してみましょう。
車椅子の方は、フットレストから足を下せるようでしたら、床に足を下ろして、足をきちんと、揃えてあげてください。より自然体で写真に納まることが出来ます。
留袖の方の場合は、写真撮影の時だけ、お草履を履いていただいくと素敵です。
重要!!ズボン、スカートに関わらず、パンティストッキングは、だめ!!
靴下や、ひざ下ストッキングだったら、お手洗いの際は下着だけの上げ下げで済みます。
パンティストッキングは弾性があるので力がいるし、スムーズに履くにはコツがあるから、結構大変なんです・・。(女性はみんな経験者ですよね・・)
片方ずつ履く時、バランスを崩して転んだり、伸ばし方が甘くて、ウエストの部分まできちんと上がらなかったり、股下の辺りが窮屈で気持ち悪かったりします。
お手洗いの時も、下着+ストッキングの上げ下げで、さらにひと手間かかってしまいます。
以前、立つのがやっとのお客様が、スカートの下にパンティストッキングを履いて来られました。いざ、お手洗いをする際、下げるのは簡単なのですが、引き上げるのがとにかく大変。(股下部分が上手く合わないんです・・)
その間もお客様には手すりにつかまって頂き、何とか立っていて頂いている状態なので、ご本人もとても大変だったと思います。
パンティストッキングは、介助する方も大変ですし、本人もとても疲れてしまいます。ぜひ、ひざ下ストッキングで・・・。
また、足にむくみがある方などは、ゴム口のゆるいハイソックスでも大丈夫です。冬場は厚手の黒いハイソックスに五分丈のズボン下を組み合わせると温かいですよ。
(靴については別記事参照してくださいね↓↓↓)
結婚式で、あえてフォーマルな靴を選ばない! 高齢者の靴選び、5つのポイント
アクセサリーは、無くてもいいけど、あると華やかになります。
家族にとって、ハレの日ですから、いつもより少しお洒落に、華やかにしてはいかがでしょうか。首回り、胸元が華やかなだけで、お顔の印象もパッと明るくなります!
一連で長すぎないもの(全長40センチ前後)がベストです。
二連の物や長いタイプは、かなりの重量感があり、一日していると肩が凝ったり、疲れやすくなってしまいます。
ネックレスのパールの大きさですが、パールの粒は8㎜で0.8g、10㎜で1.5g、12㎜で2.5gとどんどん重くなります。40㎝~50㎝のネックレスだと、50g~100gもあります。
卵Mサイズが約60gなので、結構な重さですよね。
また、立ったり座ったりの時にネックレスが引っかかったり、お食事の時に邪魔なったりするので、長いものは避けておいたほうが無難です。
「コットンパールで気軽に」もあり。
最近では「コットンパール」という、その名の通り、コットン(綿)を圧縮し球体を作り、その上からパール加工を施したパールネックレスがあります。
ただし、コットンパールはあくまでフェイクのパール。
「結婚式で身に付けるのは相応しくない」「マナー違反だ」という声もあります。
確かに、格式を重んじる結婚式が主流だった頃は、コットンパールはちょっと・・・というのもわかります。
でも最近は、結婚式の形式自体がカジュアル化しているので、服装マナーもそれに合わせて変化しているようです。
花嫁さんがコットンパールのアクセサリーを身に付ける事もあるほど、ブライダル業界でも浸透しつつあります。
天然パールよりも柔らかな風合いで、肌馴染みもよく、優しい印象にしてくれますし、なんといっても軽い!!!普通のパールのネックレスと比べると、重量は半分以下に感じます。
ネックレスをすると肩が凝る方や、ご高齢の方にはおすすめですよ。
コサージュがあるだけで華やかさは断然違います!
ケアエスコートでコサージュをつける方は、シルバーやグレー、紺、紫など無難な色のコサージュが人気です。
ピンクやパステルカラーが好きというご高齢の方も多いのに、「もうこんな歳だから・・」と、控え目に無難な色を選ぶ傾向があるようです。
高齢の方の場合、洋服自体シックな色が多いので、コサージュはピンクやエンジ、イエロー、ゴールドなど明るい色を合わせると素敵です!披露宴会場の華やかさにマッチして素敵ですよ。
コサージュの大きさは12~15㎝くらい。大きすぎないように。
大きさは控えめな方が上品ですし、立ったり座ったりや食事の動作の妨げにならないので、12~15cmまでくらいを目安に選んでください。
コサージュの留め具がピンの物は、高齢の方などが自分でつけるときには、
間違って手や身体に刺さない様に十分注意して下さいね。
また、ピンがしっかりハマっているかも確認してください。
(ピンが洋服に引っかかってるだけの事があります)
イヤリングはショートヘアと相性の良いアイテムですが、高齢の方はあまりつけていないようです。つける方だと、パールのネックレスとお揃いで、パールのイヤリングが多いです。
お祖母さまは、髪を短くカットしていることが多く、髪型のアレンジが難しい分、イヤリングをすることで華やかな印象になります。
ただ、普段つけ慣れていないと、すぐに耳が痛くなります。
逆にイヤリングのネジの締めがゆるく、どこかに落としてしまった・・なんて事も少なくありません。
違和感から無意識に耳を触って、落としてしまう方もいます。
イヤリングは、あえて準備するというより、あったら着けてみる程度で良いと思います。痛くなったらすぐ外せばいいですしね。
ある70代女性のお客様は、思い出のパールのネックレスとイヤリングをケースに入れて、ご準備されていました。絶対落せないので、ケースのまま式場へもっていき、写真撮影の前に着けていただきました。式後、車へ乗る前に外して、ケースにしまい、帰路へ。
結婚式へ行けたことももちろんですが、おしゃれが大好きとのことで、久々におめかしができたことが、本当にうれしかったそうです。
出来るだけ荷物は少なく、手が開いていた方が安全です。
式当日は、移動や立ったり座ったりも多いです。
家族が代わりに荷物を持っていただけると、万が一転びそうになった時、とっさに身体を両手で支えられます。
ただ、女性には手ぶらは少し抵抗があるかもしれません。ご年齢・性別に関係なく、外出時は手元に鞄を持っていたい、と思われる方も多いようです。
小さめのパーティ用クラッチバッグの定番のものや、キラキラした素材やビーズ・スパンコールがあしらわれた布製の鞄でも大丈夫です。
もしくは、普段の持ちなれている鞄でも、すごく大きくなければ、車椅子のシートの脇に置けますので、あまりこれっと決めずに考えて良いのです。
お洒落にも、冬の寒さや夏の冷房の冷え対策に使えます。
また、なにか洋服にこぼしたときに、隠すこともできます。
以前、お客様が着てこられた洋服が大きすぎて、首元から、肌着が見えてしまっていた事がありました。
私達も肌着が見えない様に服を引っ張り上げたりして、何とか隠していましたが、それにも限界がありました。
でもそのお客様は、バッグに綺麗なレースのスカーフをお持ちでした。
これは!!と思い、肌着を隠すように首元に巻かせて頂きました。
すると出ていた肌着は隠れるし、なにより先ほどよりもグッと華やかに変身!
お客様も「こっちの方がいいわね!」と喜んで下さり、私達もホッとひと安心。思いがけずスカーフが大活躍でした!!
高齢の方や身体の不自由な方など、介助を必要とされる場合、正装する事が難しい場合があります。
無理をして服装にこだわらず、普段より少しおしゃれをする気持ちでいいのでは?
せっかくのおめでたい日に無理をして体調を崩したり、怪我をしてしまわないように、着心地が良く、身体に負担のない物を選ぶことが大切です。
お祖父さまの場合は、割と同じスーツスタイルです。
※和装も素敵ですが、最近ではほとんど見かけません。
燕尾服を着られるご祖父様はやはり少なく、準礼装のブラックスーツの方が多いです。
先日お手伝いをしたご祖父様は、淡いパステルブルーのお色味のワイシャツでしたが、集合写真で並ばれた時も、浮いてしまうことはなかったです。
まずは、防寒対策といえば、ヒートテックのような、薄手の機能性肌着がお勧めです。
昔の、いわゆるラクダシャツに代表される肌着はだいたい厚手です。ですので、フォーマルな洋服の下では、モコモコしてしまい、不向きです。冬場の下着で迷われたら、薄手の機能性肌着がお勧めです。
色は黒。襟ぐりが大きく開いたタイプ・袖は七分丈か半そでのものがお勧めです。
なぜかというと、フォーマルの礼服は、衿が大きく開いたもの・袖から肌着がのぞくのは、見た目があまりよくないからです。
また、袖口が伸縮しない肌着は更衣の際に脱ぎ着がしにくいので、避けた方が良いです。
カイロも様々な種類があります。靴の中に入れる専用カイロもあります。
靴用カイロは、一日を寒空で過ごす場合は、足から温めてくれます。靴のインソールの形をしていて、シールのないタイプでは、そっと入れるだけです。熱くなりすぎることはありません。ただ、カイロを靴の中にいれるので、足が入りにくくなるかも。
衣服に貼るカイロは、ポピュラーですが、低温やけどに気をつけてください。
肌より2枚目か3枚目の衣類に貼るか、カバンに入れておいて、手を温めたいときに出して使う方が安全です。
普通のカイロよりも強力に熱くなるカイロを、肌着の上からお腹に貼って水ぶくれになった事故があると聞きます。
レッグウォーマーは、披露宴中は、テーブル席なので、足につけても大丈夫です。
短い足首用もあります。ただ、口がキュッとしまるものは、かえって血行が悪くなってしまいますので、選ぶ際に注意が必要です。
エスコートでは、大判のストールやひざ掛けを、常に携帯しています。
結婚式場でも、ブランケットの貸し出しはいていますが、移動中、ひざ掛け代わりになるものがあるととっても便利です。
結婚式では、挙式会場から披露宴会場まで車で移動するとか、会場の構造上、外通路を使って移動する、などの外移動がよくあります。
そして、会場内でも冬場は、扉の近くの席や、窓に近い席は、寒さを感じるかもしれません。足元の空気が温まりきっていないケースもあります。
トイレが近くなってしまったり、寒くて結婚式に集中できなくなってしまいますので、ぜひ、大判ストールやひざ掛けは持っていったほうがいいです。
ひざ掛けは、素材によりますが、礼服に繊維がついてしまうため、エチケットブラシの携帯もお勧めします。
まとめ
ケアエスコートでは、サービスを利用される予定がなくても、ご相談をお受けしています。
新郎新婦やご両親のお洋服が決まった後、はた!と気がつく、ご祖父母の洋服・・・。フォーマルを優先するべきか、着心地か? 実際にご用意するのは、ほとんどがご本人ではなく、ご家族なので、よくわからない・・・。
でも、具体的にご相談を受けていくと、「ああ、こんな感じが母は好きだわ。」とか、「これだったら持っているから大丈夫。」とだんだん準備が整っていきます。
新郎新婦の準備は、式場のプランナーさんがきめ細かく手配してくれます。
でも、ご家族の準備は、ご家族自身でほとんど用意しなければなりません。
また、お話を伺うと、式場の様子も当日のスケジュールも、ほとんどご存知ないご両親がとても多いようです。
漠然と、不安に感じているご家族も多いと思いますが、一つ一つ準備されていくうちに、どんどん楽しみで、わくわくする結婚式になっていきます。
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。