ケアエスコートの池上です。
最近は、結婚式でも、お祖父母様ばかりではなく、ご両親も、介護が必要な時代になってきました。日本の結婚式のほとんどは、ある程度、同じような流れで進行していきます。でも、一般の方々は、一生のうち、そんなに頻繁に結婚式に出席することはないはず。健康な方が、自分だけで出席するときには、式場スタッフの案内に任せておけばそれでいいのですが、高齢の親族や、身体の不自由な方をサポートしながら出席するときは、それなりの心づもりが必要です。特に、新郎新婦の両親や祖父母の場合は特に要注意。
ケアエスコートでは、ほとんど、お客様が祖父母様やご両親のケースでご依頼をいただきます。新郎新婦様にとっても、ご親族にとっても一番大事な時間なので、いかに何事もなく無事に過ごしていただくか、ご本人にお会いし、式場も確認した上で、プランを考えて、準備をして、当日を迎えます。
そんな、私たちが、「このタイミングが要注意」「この時こうしたほうがいい」など、経験を踏まえてお伝えしますね。
ご家族や親せきの方が、介護や付添のサポートするときは、要注意ですよ!!
①親族や相手方の親族との交流(親族紹介)
②写真撮影
③挙式
④披露宴
ご高齢の方の場合は、親族の方や知人に話しかけてもらうと、気持ちが、かなり盛り上がります!!(ご機嫌がよくなる)
要注意ポイント:特に、日ごろ良く顔を合わせる方が、そばにいると安心されます。
どのスタイルでもだいたい、結婚式当日は挙式の前に両家の親族紹介が行われます。挙式のはじまる1時間前には集合し、親族は親族控え室に案内されます。両家別々の部屋に案内され、式場スタッフがお父さんに親族紹介の手順を伝えて始まることも多いようです。
定刻になると間仕切りが取り除かれる場合や、親族紹介の部屋へ移動する場合と会場ごとに様々です。親族は花嫁衣裳やタキシードに身を包まれた新婦・新郎に対面することになります。紹介の時間は概ね10分~15分。
また、親族紹介の場をあえて設けないこともあります。
先日、新婦様のお祖母様をエスコートさせていただいた時のお話です。
「親族紹介は特別にはしない」とお伺いしていました。式場に到着すると、広いホールに案内され、お祖母様と待ってました。しばらくすると、「よくおいでくださいました!」と、お相手の方の父母様が近づいてくださいました。そして次々に両家の皆様が和気あいあいとした雰囲気であいさつされ、挙式がはじまるまでの小一時間を過ごされて、ご両家がつながっていく雰囲気がなんとも素敵でした。あらたまった親族紹介ではなく、こんな風に温かく気さくな交流もあるのです。
要注意ポイント:時には、昔の思い出話などで、ハレの日にふさわしくない話題になることもあります。高齢になると、周囲の方に気づかず、思ったことをそのまま話す方もいます。私たちが付き添う場合、そんな時は、すぐにさりげなく話題を変えています。認知症などがある方は特に気をつけて。
要注意ポイント:服装のチェックは抜かりなく!!姿勢にも気を配りましょう。
親族紹介の後に、写真を撮る場合は、そのまま部屋で新郎・新婦、ご両親で撮影したり、式場内のスタジオへ移動して撮影したり、また、庭園での撮影等、様々です。教会の場合は、新郎新婦の退場後、教会の階段に段々に並ぶ形が多いようです。
カメラマンは、全体のバランス、ヘアメイクの方は、新郎新婦に集中していて、手一杯です。他の人に気を配る余裕はあまりありません。
どうしても要介護の方は、姿勢も服装も崩れやすいので、そばの親族の方は絶えず気をつけて!!私たちがお手伝いするときは、カメラマン側に立って、色々チェックさします。そのポイントをお教えしますね。
両親や祖父母は、一番前に来るので、足元が目立ちます。すぐに開いてしまうこともあります。女性の場合は、スカートなどでくるんで抑える方法もあります。どうしても開く方だったら、ひざ掛けをかけるのもいいでしょう。
男性の場合、手袋の持ち方の方向を揃えます。女性も、手の重ね方を統一します。でも最初はちゃんと正しくしていても、カメラマンさんが他の方の修正をしているうちに、変わってしまうことも。
麻痺などがあるとどうしても、傾いてしまいます。激しい場合は、クッションなどをあてがってください。
出来れば、フットレストから足を下ろしたほうが、きれいに写ります。
認知症の方は、全然違う方向を見てしまうこともあるので、撮影前にどこを向いているか、チェックしましょう。
年齢が高くなると、写真を撮る機会も減ってしまいます。若い方以上に、たくさん素敵な写真を撮ってください。
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近年、日本で行われる結婚式のスタイルのトレンドは、「ゼクシィ結婚トレンド調査2017」によると、1番が教会式 57%、2番目は人前式 22.7%、3番目に神前式 19.3%。いずれの挙式の形でも30分程度のようです。
要注意ポイント:入場では、車椅子の方は、車椅子のまま入れるかどうか、必ずチェック!!
教会式や人前式、ホテル内の神前式は、挙式会場の通路の幅と、とおり道を確認してください。どうしても無理なときは、バージンロードを通らせてもらう必要もあるので、プランナーさんに伝えておきましょう。また、車椅子ポジションもプランナーさんに確認。
神社は、そもそも神殿に車椅子で入れないことも。近い親族が車椅子の場合は、式場選びの段階で確認しましょう。階段も多いので気をつけて。
入場方法の違い(一般的な流れ)
教会式
参列者が定刻前からまず入場します。親族だけでなく知人・友人・会社の同僚も参列できます。祭壇に向かって、新郎側のゲストは、右の席。新婦側のゲストは、左側に着席します。次に新郎が(立証人に付き添われる場合もある)入場し、その後に、新婦がお父さんか代理人にエスコートされ、バージンロードを入場してきます。私たちは、要介護のお父様がエスコートする場面を何度も拝見しましたが、それはそれは感動的でした。できる限り、エスコートしていただけたらと思います。
人前式
特に決まった形式がありません。招待されたゲストは親族も含め会場へ、定刻の時間前に入場します。司会進行役の開会のあいさつで始まり、新郎新婦が同時に入場。新郎新婦の紹介が行われます。
神前式
入場の前に新郎新婦、続いて媒酌人と参列者が手を洗い、口をすすいで身を浄めてから社殿へ入場する、手水の儀、(ちょうず の ぎ)が行われ、次に参進の儀と呼ばれる、出席者の入場があります。入場の順番は神職・巫女・雅楽演奏者に新郎新婦、媒酌人夫妻、両家ご両親、兄弟姉妹、親戚の順に入場し、神前に一礼をするのがしきたり。席次は神殿に向かって右が新郎側、左が新婦側と決まっています。
挙式の儀式~退場まで
要注意ポイント:ここでの一番の注意は、参列者が立ったり座ったりすることが多いこと。
周りの皆が一斉に立つと、立てない方もつられて立ち上がろうとして、一番危険!!
私たちは、通常なるべく近くについていられるようにお願いして、立ち上がろうとするのをセーブしています。
教会式
①讃美歌斉唱
②牧師による聖書朗読・祈祷
③誓約
④神と証人となる全参列者の前で新郎新婦が誓い合う儀式
⑤牧師が新郎に「永遠の愛を誓いますか」と質問し、新郎が大きな声で「誓います」と答え、新婦も同様に行う。
⑥指輪の交換
⑦結婚の証となる儀式。牧師から左手で指輪を受け取り、右手に持ち代え新婦の左薬指にはめる。新婦も同様に行う。
⑧ベールアップ・・・新婦のベールを新郎があげる。
⑨祈祷・結婚成立宣言
⑩祝福の祈祷 この時参列者は起立して黙とう。結婚の成立が宣言された後は、式場にもよるが婚姻届に著名をする。
⑪合唱・祝辞
⑫讃美歌の合唱 祝福のお祈り
⑬新郎新婦の退場・・・腕を組んだ新郎新婦がバージンロードをゆっくりと二人で退場。フラワーシャワーがある場合は花かごがゲストの席にまわってくる。
⑭参列者退場
人前式
①結婚の誓い
②新郎新婦が考えた誓いの言葉を読み上げる
③指輪の交換
④リングボーイやリングガールがリングを運んできてくれるなど自由な演出
⑤結婚成立宣言
⑥司会者が結婚が成立したことを参列者の前で宣言する。
⑦祝辞
⑧立会人の祝辞
⑨退場
※ 人前式では、各新郎新婦それぞれの演出で流れが異なるので会場の方の指示に従いましょう。
神前式
①修祓の儀(しゅうばつ の ぎ)と呼ばれ、お祓いを全員起立して行う儀式。
②神前に供えものをする、献せんの儀(けんせん の ぎ)が行われる。
③祝詞奏上(のりとそうじょう)といって、斎主が結婚を神に報告する儀式。
④三献の儀(さんこん の ぎ)とは、三々九度の杯ともいわれ、新郎新婦が杯を交わす儀式が行われる。
⑤結婚の誓い・・・誓詞奉上(せいしほうじょう)とは、結婚の誓いを新郎が読みあげ、新婦が自分の姓名を読み上げたら神前に供えるという儀式。
⑥指輪の交換・・・もともと神前式の中にはなかった儀式。近年挙式の進行の中に組み込まれ、結婚の誓いの後に行われる。
⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)・・・榊を神前に供える儀式。新郎新婦が先に行い、媒酌人夫婦、両家代表の順に行う。玉串とは神道の神事において神前に捧げる紙垂(しで)をつけた榊の枝のこと。紙垂とは 「神聖・清浄」の標章。紙垂はz型をした半紙でできたもの。
⑧親族盃の儀・・・・列席者全員か代表が盃でお神酒をのむことで親族同士のつながりを固める
⑨合唱・祝辞・・・斎主挨拶 斎主からのお祝いの言葉
⑩退場・・・斎主が退場し、入場の時と同じ順番で退場
神社での結婚式の注意はこちら ↓↓↓
要注意ポイント:挙式と披露宴の会場が別々の場合は、移動方法を計画しておいて
車椅子の方は、独自で介護タクシーの手配を。待ってもらう場所もあらかじめ決めておきましょう。広い神社(明治神宮など)は、迷ってしまうので要注意。
レストラン・パーティスペース・老舗料亭や旅館・ゲストハウスには、神社・教会の併設が少ないため、挙式・披露宴は別会場で行われることが多いようです。
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披露宴の流れ(一般的な流れ)
要注意ポイント:事前に、トイレや休憩のタイミングを考えておくこと。特に親族参加のイベントがどこか知っておきましょう。
披露宴中にお化粧室へ立つタイミングは、10と11のあたり
上記の順番でいくと、食事中の談笑タイムと新郎新婦が中座中がトイレや休憩に行きやすい時間。
ただ、この時間はお化粧室も混雑しやすいので気をつけて。新郎新婦の中座の時間は30分くらいです。新郎新婦の再入場の直前は、演出上、一時的に入場が制限される事もあるので要注意です。
花束の贈呈から新郎新婦退場までは一気に進むことが多く、披露宴のクライマックスで、40分程度を要します。
新郎新婦と写真を撮るタイミング
8ケーキ入刀、10食事の最中、12キャンドルサービスでは、司会者もシャッターチャンスを案内してくれます。シャッターチャンスの際は同じ場所に大勢が集まるので、車椅子の方や、杖の方は見える位置まで、移動をお手伝いしてもらうと良いです。
披露宴のお料理での注意点
要注意ポイント:気をつけるのは、一番はお肉、そしてパン。どちらも固めのことが多いので、誰かが小さく切ったりお世話をする必要があります。麻痺があるとスープや水をこぼし気味。おしぼりやタオルは多めに用意しましょう。
送賓の際の思わぬ行列
要注意ポイント:結婚式の後に直ぐに帰る予定の方は、送賓は列になることもあるので気をつけて。
お開きになり、新郎新婦へお祝いとお礼を込めて挨拶をする際は、温かなメッセージを手短に、がマナーですが、結構列になることも。ご高齢の方や、お身体に不自由のある方は、長い時間立ったまま並ぶのは大変ですので、最後に並ぶか、先に挨拶させてもらいましょう。帰る際はエレベーターも込み合います。
・日ごろ良く顔を合わせる方が、そばにいると安心されます。
・写真撮影では、服装のチェックは抜かりなく!!姿勢にも気を配りましょう。
・挙式会場は、車椅子の方は、車椅子のまま入れるかどうか、必ずチェック!!
・挙式中、無理に立ったりしないように。
・挙式と披露宴の会場が別々の場合は、移動方法を計画しておいて。
・披露宴では、トイレや休憩のタイミングを考えておくこと。
・お料理は、お肉とパンに要注意。おしぼりも多めに用意。
・送賓は列になることもあるので、時間を確認。
介護の必要な大切なご家族と
結婚式の喜びを分かち合うお手伝いをいたします。