2013年から始まった、「こんな結婚式なら挙げたい!!」をテーマにした番組。
昨日2016年、3月30日に最終回を迎えました。
最終回ということで、結婚式のその後スペシャルでしたが、
その中で印象的なシーンが胸に残りました。
結婚式前のJimamaさんの両親のコメントでした。
挙式一年後、Jimamaさんのお父様がお亡くなりに、この三週間後にG-KENさんのお母様がお亡くなりになったそうです。
結婚6年目の結婚式は本当に奇跡のようなタイミングで挙げられた結婚式だったのです。
ご新郎やご新婦にお話を伺うとき、
「どうせ忘れてしまう、親族が大変になってしまうから
祖父母を結婚式に連れてくるつもりはなかった」という意見も少なくありません。
しかし、結婚式の花嫁を見て感動したこと、涙したことは
たとえ忘れてしまっても、ご本人の心に案外残っています。
ふとしたときに写真を見て思い出したり、懐かしいと感じます。
結婚式に出席するということは、それだけ嬉しくて、感動することなのだと思います。
先日、5年前から担当させて頂いている、
社内報の整理をしていました。
パラパラ見返して、懐かしいやら、恥ずかしいやら・・・。
その中で、挨拶について書いたコーナーがありました。
何かの記事で読んで、
皆にも紹介したいな、と思って選んだような気がします。
時間に追われる毎日、
あいさつが疎かに、雑になってるなと感じたことはないですか?
だいたいが無意識の内ですから、
あまり気にならないかもしれませんが。
私は、どんな相手にも、
どんな場所でも、
コミュニケーションの基本は
「あいさつ」
だと思っています。
初心にかえった気持で、
あいさつの3つの「あい」をご紹介しますね。
ただ元気よく挨拶すれば良い、というものではなく、
相手の状況や場の雰囲気を考えて、
小声で挨拶したり、
会釈にとどめる方が良い事もあります。
自分がされて困る事、嫌な事は相手にもしない。
そんな思いやりを持って、
一呼吸おいてから声をかけましょう。
人の印象を決めるのは、その9割が
アイコンタクトや顏の表情、ボディーランゲ―ジ
などと言われています。
なかでもアイコンタクトは最も重要なもので、
「あなたの味方です」「あなたと仲良くなりたい」という、
挨拶に込められたメッセージは、
アイコンタクトがあって初めて伝わるといえます。
まずは相手の目を見る事が大事です。
愛嬌とは、人に媚びたりお愛想をいったり、
作り笑顔をすることではありません。
にこやかで、自然な笑顔のことです。
相手の目を見たら、ニッコリ笑って見ましょう。
出会いは挨拶から始まる、
といっても過言ではありませんよね。
自分の挨拶の仕方、
時々意識してみる事も必要だと、
改めて実感しました。
「あの子は、どこにいるの?」
披露宴のさなか、何度となく繰り返される質問。
「今、お色直しされていますよ。」
「お着替え中ですよ、きれいにされていますよ。」
「・・・・・そう。」
(20年前と同じように、お孫さまの居場所を心配されているのだ。)
(ご安心なさったのかしら。 まだ、ご不安なのかしら。)
冬が近くなった、風の強い日でした。
結婚式のお打ち合わせに、おばあさまの高齢者施設にお伺いしました。
花嫁さんであるお孫さまと一緒でした。
「おばぁーちゃん!!」
お孫さまの嬉しそうなお顔と、少しお眠そうなご本人のお顔。
それでも、お孫さまのお顔を見ると嬉しそうでした。
そのあと、お部屋でお孫さまと私たちがお洋服などのお打ち合わせをしていると
少し不安そうなお顔で眺めていらっしゃいます。
ご挨拶をして帰るころには、お疲れになって横になってしまわれました。
(明日はだいじょうぶかな? うん、きっと大丈夫)
(明日は、大切な「 お孫さんの結婚式 」)
当日・・
少し寒い日でしたが、とてもいいお天気でした。
施設へお迎えにお伺いすると、体調はとてもよさそうでした。
「今日は、よろしくお願いします。」
「いい天気になりましたね。」
ただ、うなずかれるご本人。
お着替えが終わり、「口紅を少しだけおつけしましょうか?」とお声をかけると
「うん」とうなずいてくださいました。
小さなお口元にきれいなピンクを重ねていきます。
(上手くぬれたかしら?)
(少しお顔の色が良くなった気がする。)
(さあ、準備完了。)
(凛とした表情になっていく。 「 おばあちゃん 」の顔だ。)
出発の時間。
車は渋滞にもあわずに、早目に式場へ到着。
(まずは、一安心。)
会場の控室、扉をあけると、一気に人が集まってらっしゃいました。
「よく来たわねぇ、おばあちゃん!」
皆さまが嬉しそうに取り囲んでいらっしゃいます。
(そうだ、みんなの「 おばあちゃん 」なのだ。)
チャペルの扉が開き、純白の世界。
とても神聖な場所、これから新しい世界を築いていくお二人にふさわしい場所。
(車椅子から、お二人の様子は見えるのだろか?)
(おしりは痛くないだろうか?)
新郎新婦はとても生き生きと輝いていました。
お二人の誓いの言葉は、とても大きな声でした。
(おばあちゃんに聞こえるように。)
花嫁さまのお父さまは少しだけ寂しそうで、お母さまは安心されたお顔です。
(私の時は、どうだっただろう?)
式が終わると、おばあさまは休憩場所でお休みになられました。
(そうだ、私たちとは体力が違うのだ。)
(90歳の身体は、普段は疲れたら横になる生活。)
そうしているうちに、やがて小さな寝息をたてられました。
(どんな夢を見てらっしゃるのだろう?)
(ゆっくりお休みくださいね。)
(寒くはないかしら? 毛布はちゃんとくるまっているかしら?)
眠りから覚められた時、華やかな音楽と、豪華なお食事が待っていました。
お孫さまが、心をこめて厳選されたお料理。
ご体調を確認しながら、少しずつ召し上がっていただきました。
「お刺身がございますよ。」
「柔らかそうなお肉ですね。召し上がりますか?」
「フルーツはいかがですか?」
「お茶は熱くないですか? お気をつけてくださいね。」
(よかった、召し上がった!)
(思ったより、たくさん召し上がっていただけた。)
(少しお元気になられたみたい。 体力は大丈夫だろうか?)
ご家族の皆さま全員が、喜んでご様子をみていてくださる。
(もう大丈夫、最後まで大丈夫。)
クライマックスは、新婦であるお孫さまが、おばあさまと一緒に披露宴会場を歩くシーン。、
お孫さまが、どうしても「おばあちゃんと歩きたい」と、特別に組み込まれた演出です。
(20年前のあの頃と同じだっただろうか・・
(背の高さは逆転し、車椅子にはなったけれど、一緒に手をつないで歩ける日が来たのだ。)
最後は、新郎新婦から感謝のお手紙。
今までの感謝の言葉が、ぎゅっと詰まったお手紙でした。
小さい頃、両親は共働きで、学校から帰ってくると、いつも温かく迎えてくれたおばあちゃん。
寒い日も暑い日も、変わらない笑顔で接してくれたおばあちゃん。
一番後ろの席で、小さくなった「 おばあちゃん 」は、そんなお孫さまの言葉のひとつひとつを
じっときいていらっしゃいました。
(見違えるほど美しくなった花嫁さん。)
(車椅子からみたお孫さんは、大きく見えただろうか?)
(ランドセルがとても大きかったあの頃を思い出しているのだろうか?)
帰り道の車の中で、おばあさまは、こくりこくりと眠られました。
施設に戻ると、すぐにお着替えをして、ベッドに横になっていただきました。
私たちは、お孫さまからお預かりした記念品を、お部屋の棚に飾りました。
「 感謝 」と書かれたその写真たては、おばあちゃんとお孫さまのお気持ちを物語っていました。
お幸せそうに眠っていらっしゃるお顔を見ながら、部屋の明かりを消しました。