車椅子、お手洗いがご不安なので、すべてお任せしたい。
8:00 訪問、準備 |
スタッフ2名でお伺いしました。
お部屋のドアを開けると、
お祖父様がお1人で、礼服のスラックスをお召しになっているところでした。
大変そうにお着替えされていたので、ご挨拶もそこそこに、急いで一人がお身体を支え、
もう一人がお着替えのお手伝い。
スラックスを履いて頂き、一度お椅子に座って頂いてから改めてご挨拶。
ケアマネさんと楽しそうにお話されている中、私たちは、お着替えを進めて行きます。
今日のために新しくご購入されたシャツを着て頂きましたが、
「なんだかちがうな~・・」と
普段着ているシャツを強くご希望されたので、お召し替え。
「やっぱりこっちの方がいいな!」と、笑顔になられたので
介護タクシーで、お式場へ。
予定より早く到着し、控室にもまだ入れなかったため、
正面入り口から入り、エレベーターで3階のロビー(ソファーもあり休憩できる)へ上がると、
3階のロビーでは受付の準備がされていました。
ご新郎新婦様の想い出アルバムが置いてあったので、
お祖父さまにアルバムをお渡しし、ご覧頂きました。
アルバムを1Pずつ、丁寧にご覧になりながら
「この子が孫だよ」と、新婦様を嬉しそうに指差します。
時々涙ぐみながら、3冊あったアルバムをすべてご覧になりました。
ちょうどお控室に入れる時間になったので、3階のお手洗いにご案内してから4Fへ。
4階のお控室ではご家族、ご親族様と談笑されているので、私たちは離れたところでお見守り。
お祖父様のネクタイを結びなおし、ハンカチーフを整えてから別部屋へ移動し、親族紹介、写真撮影。
その後すぐ同じ4階にあるチャペルへ。
チャペルへはガーデン(外)を通っていくので、車椅子が少々ガタガタするのでゆっくり進みます。
扉前の数センチの溝は、もう1人のスタッフに、前から車椅子を引っ張ってもらい、移動。
チャペル内は車椅子で左サイドの通路をとおり、お椅子まで。
車椅子からチャペルのお椅子へのご移動を お手伝いしました。
立ち見が出るほど、たくさんのゲストの方が、ご参列されるので、
私たちは、後ろの壁際で立って待機。
車椅子も通路脇に。
挙式後、ご披露宴会場のある3階へ移動しました。
会場に入る前に、お手洗いのお声掛け。
「まだいいかな」と仰いましたが、
「時間がたくさんある今のうちに、行っておいた方がご安心ですよ」とお誘いし、ご案内。
着慣れないスーツだと時間がかかってしまうので、
お手洗いには一緒に入り、さりげなく、お手伝いしました。
ご披露宴会場では、車椅子にお座り頂いたまま、テーブルへ。
スタッフ2名は、お祖父様の両隣に座らせて頂き、ご様子を伺いながらサポート。
基本的には、ご自分で召し上がれるので、
お皿を食べやすい位置に調整したり、お肉など細かくカットしたり、
お箸やストローなど、必要な物を式場スタッフさんにお願いしたり、などのお手伝い。
普段、お食事もゆっくり召し上がると伺っていたので、
急かしている印象を与えないように、お話をしながら、
できるだけさり気なく、お手伝いさせて頂きました。
お祖父さまはお気持ちをあまり言葉には出されませんが、
新郎新婦様のご入場、ケーキカットなど、新婦さまを見つめる目には、何度も涙がこぼれます。
言葉にしなくても、それだけでお祖父さまのお気持ちは、私達にも分かります。
新婦様のご両親も、そんなお祖父様を見て「また泣いてるよ~」と優しく笑っていました。
プロフィールビデオや映像が流れる時は、お祖父様が見やすい様に、車椅子の向きを変えます。
「これから○○の映像ですよ」 「今お祖父様も映りましたね」など
時々、私がお声かけしながら、ご覧頂きました。
内容が分かると、お祖父様も声を上げて笑ってらっしゃいました。
ご披露宴お開き後、
送賓に立たれる新婦様に「おじいちゃんありがとう」と声をかけられると
また少し、涙ぐみそうになってるお祖父様に、とても暖かい気持ちになりました。
お帰りの車の中では、亡くなった奥様にも今日の新婦さまを見せたかった、、、
と何度も仰っていました。
でも「家内の分もちゃんと見てきたから」と
とても幸せそうな笑顔を 私たちに見せて下さいました。
ご入居先に到着し、お部屋で、お着換えのお手伝い。
少し、お疲れのご様子で、全て着替え終わると、ホッとされたお顔。
「今日は、ほんとうにお世話になったね。本当にありがとう!」と私たちに仰って下さいます。
お部屋を出る私達を、ずっと、立ったまま見送って下さって
最後まであったかい気持ちでいさせていただきました。