ご高齢で車椅子、久しぶりの長時間の外出なので体調や体力が心配
12:15 ご入居先でお着替え、メイクのお手伝い |
まずご入居先へ伺い、「本日はおめでとうございます!!」とお祖母様にご挨拶をさせていただきました。
「ありがとう!」と、お祖母様は、満面の笑顔に嬉しさがにじみ出ていました。
途切れることなく、ずっとずっとお話をしてくださるお祖母様。
この日をとても楽しみにしてらっしゃったのが良く分かります。
そんなお祖母様の気持ちに引き込まれながら、アッという間の楽しいお仕度タイムでした。
お迎えのタクシーが到着したので、車椅子にお乗り頂き、玄関まで移動しました。
タクシー手前で車椅子を降りて頂き、スタッフ1名がお祖母様の身体を支え、もう1名が頭をぶつけない様に頭に手をあて、タクシーにお乗り頂きました。
タクシーのトランクに車椅子を積んでお式場へ出発です。
お式場に到着し、宴会場入口から中へ。
1時間以上の長い車移動だったので、到着後すぐお手洗いへご案内しました。
お祖母様は小柄で床に足がつかないので、お身体を支えながらお手伝い。
お召し物を整え、口紅を塗り直してからB1Fのご親族控え室へお連れしました。
すでに何人かご親族がいらしていて、お迎えしていただきました。
皆様とてもお忙しく、また初めての場所のためか、お祖母様は、少しご不安そうなお顔になられました。じっと私達スタッフの顔を見つめて手を握り、「あなた達もまだいるわよね・・」とおっしゃいます。
私達はお祖母様の手を握り返しながら「お家に帰るまでずっと一緒ですよ!」とお答えすると、ホッとされたご様子になり、それからゆっくりと美味しそうに桜湯を召し上がりました。
間もなくして、ご家族や新郎様がいらっしゃると、お祖母様を囲んで写真撮影。
最初は緊張で固い表情のお祖母様でしたが、新郎様が両手でお祖母様のお顔に触れながら「おばあちゃん、ありがとうね」と仰ると、お祖母様の表情がなごみ、自然な笑顔が戻りました。
お控室からご両家ご家族が列となって、挙式会場の幸福殿までご移動。
お祖母様は車椅子のため、階段上のご親族席ではなく、階段下の一番前にご案内しました。
私達スタッフも最前列でお祖母様と並んで参列させて頂きました。
お式中は、新郎様を目で追いながらも、時々横にいる私達に微笑んで下さるお祖母様。
私たちにとって、とてもうれしい、印象的な表情でした。
ご披露宴会場は1つ上の階の「鳳凰の間」にて。
窓からは、日本庭園が望める素敵な会場です。
お祖母様を車椅子のままお席にご案内し、私達スタッフはお祖母様の両サイドに座らせて頂きました。
「もうすぐ、○○様(新郎様)が入場されますからね!」とお声掛けすると、「あら、どこから来るのかしら!?」と嬉しそうに会場中を見渡していらっしゃいます。
入場口の方へ車椅子を向け待っていると、新郎新婦様がご入場!
お祖母様も身を乗り出して手を叩いてお2人をお迎えです。
目の前を新郎新婦様が通っていく時、お祖母様が新郎様に声をかけると、新郎様もお祖母様の前で立ち止まってニッコリ。
新郎様の優しさとお祖母様の嬉しそうな表情が、会場も私達の心も、一瞬にして幸せな空気で満たしてくれた様な気がしました。
お食事中は、お料理の説明をしながら、お料理を小さくカットさせていただいたり、お飲み物をお勧めしたりなどのお手伝い。
新郎様の中座の時のエスコートを、お祖母様が担当されることになっていたので、お祖母様にそのことをご説明し、お召し物を整え、お口元を綺麗に整えてスタンバイ。
お祖母様の名前が呼ばれ、スポットライトがあたったので、スタッフ1名が車椅子のお祖母様を高砂の新郎様のお席までご案内しました。
新郎様は、お祖母様の両頬に手をあて、笑顔でお迎えしてくださいました。
中座は、新郎様がお祖母様の車椅子を押して下さることになっていたので、私達は一足先に入退場の扉の外で待機しました。
スポットライトに照らされ、扉の外に出てこられる笑顔のお2人を、私達も笑顔でお迎えしました。
その時のお祖母様の誇らしそうな、愛おしそうな表情は、最高に素敵でした。
「新郎様とお祖母様、お2人とも素敵でしたよ~」
とお声をかけると、
「そう?」と少し恥ずかしそうに笑ってらっしゃいました。
ご披露宴お開き後、ご入居先へ到着する頃にはすっかり夜になっていました。
早々にご入居先のスタッフ様にお引継ぎし、私達はご挨拶して退室。
「今日は長い時間本当にありがとう!」
「また会いに来てね!」
と、私達の手を握りながら笑顔のお祖母様。
一日ずっとお世話をさせていただいたお祖母様と離れるのが、何だかとても寂しくなった私達です。