最初はご親戚にお世話をお願いしていたお祖母様。ご高齢のための色々な症状があり、慣れない場所でのトイレや、結婚式場で迷子にならないか、式場から外へ一人で行ってしまうのではないか心配。
08:00 施設に訪問 |
今回は、息子様ご夫婦の近くで、お一人暮しのお祖母様でした。
はじめに、息子様ご夫婦へご挨拶にいきました。
「実は、結婚式の最中は、親戚にサポートをお願いしようかと思っていました。」とお話していただきました。ご親戚も「いいよ」と快く受けてくれたそうです。
でも、考えてみれば、ご招待しているのに、トイレや食事の事をお願いするのは、どうかと思い直し、ケアエスコートへ連絡をくださったそうです。
いろいろ、お祖母様のご様子を伺ってみると、軽い認知症があり、慣れない場所でのトイレや、結婚式場で迷子にならないか、式場から外へ一人で行ってしまうのではないか・・・とご心配しているご様子です。
結婚式当日の朝は、息子さんと結婚式場まで一緒に来て、式場で私たちと待ち合わせることにしました。
あとは、着ていくもの。
お祖母様は「留袖を着たい」というお気持ちが強かったようです。でも、今のご状態を考慮し、洋装を新調されることにされました。わたしたちが事前にお預かりし、当日、結婚式場へお持ちする約束になりました。
だいたいのイメージのつきあわせをし、その日は失礼いたしました。
それから、10日ほどして・・・電話が入りました。お祖母様が、脳梗塞を発症し、入院したとの一報でした。結婚式の3週間前のことでした。
幸い、軽い脳梗塞で、早期発見だったため、後遺症も残らず、早めの退院が決まっているという内容でした。
ただ、大きな変更がありました。お祖母様のお住まいの変更です。これを機に、施設へ入所することになったため、スケジュールの変更をしていきました。
結婚式会場で待ち合わせではなく、施設にお迎えにあがり、帰りはお送りすることになりました。ご祖母様が不安にならないように、息子様ご夫婦と綿密に打合せをしました。
退院の翌日、ご祖母様にご挨拶に伺いました。
職員さんに腕を組んでもらい、しっかりとした、足取りです。結婚式の間も、休憩を少しすれば、帰らずに、全部楽しめそうです。
お迎えに行ったときに、ご祖母様の質問に答えられるようにと、お嫁様が、メモに書いて、当日のお着替えのセットの中へ、準備してくださいました。
今日は、どこへ、いつ、だれの・・どうして行くのか・・・。
出発前に、ご不安になる方は多いので、このお心配りはとても助かります。
結婚式の当日
ご親戚の皆さんが、やさしくご祖母様に声をかけてくれ、笑顔であふれていました。ご祖母様は、声をかけられても、誰だか思い出すのが難しそうでした。
でも、お祖母様自身は、とても面倒見の良い方だったようで、皆様がご存知でした。たくさんのゲストの方々が、「面倒見てもらった。お世話になった。」と感謝を述べていきました。
昔は学生さんを下宿させていたこともあったそうで、お祖母様も時折、当時を思い出され、「学生さんの成長を見るのが楽しみだった。」と教えてくれました。
新婦様も、そんなお祖母様の優しいお人柄を引き継がれているようで、ご招待のご友人様が本当に多い、素敵なご披露宴でした。
新婦様の父である息子様ご夫婦も、実はこの椿山荘で結婚式を挙げたとのことでした。その時は、ご祖母様は、新郎様の母として、この場に立っていたわけですから、感慨もひとしおだった、こと間違いありません。
親子二代に渡って、同じ場所で、御縁が結ばれていく瞬間・特別な瞬間に、たちあわせていただき、この上なく、温かい気持ちでいっぱいになったケアエスコートでした。