ご新郎様のご祖母様で、車椅子にて披露宴参列のサポート。体力的に心配なので、披露宴のみご参加。疲れてしまう・・と、消極的なお気持ちになりがちなご祖母様と一緒に、お写真が撮れると嬉しいとのご希望でした。
9:30 ホテル客室へ訪問 |
体力に自信のない、要介護度5の新郎様のご祖母様でした。はじめは、披露宴だけでも参列できれば・・とのご相談でした。
結婚式の前の日からホテルでお過ごしになり、結婚式当日もお泊りになるとの事で、ゆったりしたスケジュールを組まれていました。休憩できるお部屋があるのは、お客様にとっても、私たちにとっても、大変ありがたいことでした。人目を気にせず、横になっていただけるからです。
親族紹介や挙式は無理でも、写真は一緒に入ってもらいたい・・・という娘さんのご本音も、話を重ねていくうちにわかってきました。
「疲れちゃうから」・・という、ご祖母様のお気持ちを大切にしつつ、親族紹介か挙式か写真撮影か・・どれかに少し顔を出せるように、プランを幾通りか考えていました。
通常、2.3週間前に、お顔合わせを兼ねて、ご状態の確認のため、訪問するのですが、今回は、前の日に伺いました。お会いしてみると、お電話で伺っていたご様子より、お元気そうな印象を受けます。
もしかしたら、親族紹介なら、お連れできるかも・・という予感がしました。
結婚式当日です。
朝はいつもゆっくりお過ごしになるとの事でしたが、起きて待っていてくださいました。ちょうど朝食代わりのヨーグルトを召し上がったところでした。
お顔色も良く、ご気分も良さそうなので、早速お支度にとりかかります。
口紅なんて、何年振りだろう・・というお顔でした。
お髪も整えて、お支度が整ってきます。やっぱり女性ですから、おしゃれをするのは楽しそうなご様子です。ご気分も良さそうです。
「せっかく、キレイになさったので、お写真だけでも、行ってみましょうか?」と、伺ってみました。
なんと!!「じゃあ、行ってみましょうか。」とお返事が返ってきたのです。
娘さんの嬉しそうな表情が、私たちの目に飛び込んできます。そうこうしているうちに、親族紹介の集合時間が近づいていました。娘さんが、お部屋を後にしていきます。
前日の打合せでは、消極的なご祖母様を憂いて、無理そうだったら上着だけ着れれば、ということになっていました。
ところが、いざ、身支度をはじめてみると、ご祖母様ご自身から、「ズボンも代えたほうがいいわよね。」と。
寒がりなご祖母様。厚手の靴下は外せません。カイロは、低温やけどが気になるので、スカーフにくるんでひざ掛けの上に置いてみることにしました。ズボンをはき終え、時計を見ると、挙式がそろそろ終わる頃です。
私たちは、写真室へ向かいました。客室と同じ階に、写真室があったので、移動時間がかからず、とっても助かりました。
写真室の扉を入ると、ちょうど反対の扉から新郎様がご入室してきました。
ご祖母様にすぐに気づいて、「おばあちゃん、よかったね!」と声をかけてくださいました。
新郎様を見上げながら、嬉しそうに、涙ぐまれるご祖母様。
写真の列に入ります。大切な親族の集合写真。
写真撮影が終わりました。隣に並んでいた娘さんが、ご祖母様をあらためて、まじまじとご覧になっていました。
「おばあちゃん、きれいにしてもらって、見違えたわ!!」
この後、披露宴開始まで、60分ほどあります。部屋に戻ってご休憩していただきました。
カーテンをしめ、部屋を暗くしました。やっぱり特別な日なので、眼を閉じてはいらっしゃいましたが、ぐっすりは眠っていられませんよね。
再度、お髪を整えて、披露宴会場へ移動しました。
本館からタワー棟へ向かいます。ホテルの構造が複雑なので、各階の部屋の名前が目印になります。開宴10分前、披露宴会場のフロアに到着しました。
ご親族やゲストは、ウェルカムドリンクを、別の階で楽しまれています。ご祖母様が、披露宴会場に、1番乗りでした。
ホテルニューグランドには、6つの披露宴会場があります。その中の1つ、ここ、「ペリー来航の間」で、披露宴が行われます。タワー棟1階正面入口の横にある、エレベーターで3階になります。
私たちは、客室から向かったので、4階で、本館からタワー棟へうつり、タワー棟のエレベーターで3階へ降りてきました。3階でも、棟が違うと、披露宴会場とつながっていないことを知っていたので、迷わず行けました。
「ペリー来航の間」の壁には、ペリー来航に因んだ「ペリー提督・将校の横浜上陸図」が飾られています。
この日、ご祖母様は参列されませんでしたが、挙式は、披露宴会場のあるタワー棟の18階スカイチャペルで、行われていました。
挙式が終わると、教会に面しているパティオと呼ばれる中庭で、フラワーシャワー・集合写真が行われました。そして、披露宴開宴まで、ウェルカムドリンクを楽しまれた皆様が、3階の披露宴会場に集まってきました。
披露宴の開宴。
新郎新婦の入場です。一歩一歩高砂へ進んでいく二人を、見逃すまいと、ご祖母様は、そのきゃしゃな身体全身をゆすって、力いっぱい拍手をしていました。本当に嬉しそうです。
新郎新婦が着席すると、高砂の後ろのカーテンが、オープンしました。
ガラス張りの壁の向こうに、氷川丸があらわれました。この会場ならではの演出でした。和やかに披露宴が進行していきます。
ご祖母様に挨拶のため、近づいて見える方もいらっしゃり、そのご挨拶する姿が、凛として美しいではありませんか。消極的なご祖母様はどこかへ行ってしまいました。
そして休むことなく、2時間半の披露宴を、満喫されました。披露宴中、何度も感情があふれだしてきて、ハンカチが手放せません。
送賓では、新郎新婦とご両家の親御さんを前にした途端、言葉を失ってしまい、感無量のお姿に、お相手の親御さんも涙してしまいました。
体力の心配はあったものの、お食事も完食され、ご家族との話に花が咲いているのを、みていたら、私たちも、なんとも温かく、しあわせな気分になっていました。
結婚式、家族が集まるって本当に素敵です!