車椅子なのでお手洗いの心配、長時間なのでご気分が変らないか、お疲れにならないか
10:30 ご入居先へお迎え・お仕度 |
ご入居先へお伺いするとまだ眠ってらっしゃいました。
お声掛けし、お着換えなどお手伝いを始めさせて頂くも、
すぐお疲れになられてしまうので、
ゆっくり、ご本人のペースに合わせてお仕度をしていきました。
お孫様のご結婚式へのお慶びと、
久々の外出へのご不安がおありのご様子でしたが、
ご準備が終わるころには、素敵な笑顔がたくさんみられました。
お身体のご負担をすくなくするために、
車椅子からリクライニング車椅子にお乗り換え頂いて介護タクシーへ。
お式場のロビーへ着くとご家族様が迎えて下さり、 お祖母様もとても嬉しそうです。
お式までの待ち時間は、 庭園が見える窓際に車椅子をお停めし、
リクライニング車椅子の背もたれを少し倒してお休み頂いたり、
新婦様のお母様からお預かりした軽食やお飲み物を召し上がって頂いたりなど。
また、字を書くのがお好きなお祖母様でしたので、 ノートと筆ペンをお渡し、
お好きに書いて頂きながらお過し頂きました。
チャペルに入ると少しご不安そうな表情をされ、
後ろに座ってらっしゃるご家族様を呼ばれたり、落ち着かないご様子でしたので、
お祖母様のお側に付き、挙式が始まるまでお話しながら待ちました。
お式中は、
「もうすぐお孫様ご入場ですよ」 「指輪の交換ですよ」などお声掛け。
皆様と一緒に拍手をされたり、
時々「○○ちゃん」と新婦様の名前を呼ばれたりと、
本当に嬉しそうな、優しいお祖母様のお顔になっていました。
お綺麗なお孫様の姿に見とれている私達に、
「綺麗でしょう?○○っていう名前よ。私が名づけたんだよ!」 と
仰るお祖母様の満面の笑顔は忘れられません。
ご披露宴は、1つの大きな楕円形テーブルを囲むように着席。
お祖母様は車椅子のままご案内し、 私たちはお隣りに付きお食事のお見守り、
お肉をナイフで切ったりなどはお手伝いさせていただきました。
新婦様やご家族様のお顔を見ながらのお食事がとても嬉しいご様子で、
「○○さん、○○ちゃん・・」と、
ご家族お1人お1人のお顔を見ながら名前を呼んでらっしゃいます。
(ご披露宴中、何度もありました。)
新婦様もご家族様も、それに笑顔で答えます。
とてもあったかくて和やかな雰囲気が、 私たちもご家族の一員になったかのような、
とても幸せな気持ちにさせてくれました。
「今日、行けたのは夢みたい・・でも夢じゃないのよね」
お帰りの車の中でお祖母様が何度も仰った言葉が、
私達の心に今でも残っています。