ご祖父母さまお二人での遠方からの上京で、事故などがないか心配。また、慣れない場所でご不安にならないか。
4:35 ご自宅へ訪問 |
早朝にお迎えに行くと、おじい様は、最初は「今日は何しに行くのかな? 誰の結婚式かな?」と心配そうにおっしゃっていました。でもすぐに私たちのことを頼りにしていただき、ご安心されたご様子でした。
以前は、ご夫婦二人で海外を旅行されていたそうで、お荷物もコンパクトで、コートも軽いものを選んでいらして、旅慣れたご様子でした。今回は杖と、車椅子が必要でしたが、臆するところがない、本当にお気持ちがお元気で、かっこいい、おじい様とおばあ様でした。式場に到着し、お二人の笑顔が120%になったのを見たときには、私たちも幸福で満たされました。
親族控室では、20数年ぶりに、ご親戚がお集まりになったそうで、自分のことのように嬉しく、あらためて、結婚式ってすごいなあ、家族っていいなあ・・とじわっとした瞬間でした。
親族紹介の時には、朗らかなおじい様も少し緊張気味でした。式場の方が座っても大丈夫ですよとご案内くださいましたが、今まで何組もお仲人を務められたそうで、ここは立つべき時とご判断されたのか、ご紹介が終わるまで立っていらっしゃったのには心を打たれました。
おばあ様は、美しいお孫様の花嫁姿をみて、「あの子に、あの色味とデザインは、本当によく似合っている。」と大絶賛されました。
ご新婦のお兄様が「おじいちゃん、おばあちゃん!」と駆け寄っていらしたことも本当に嬉しかったそうで、「あの子は本当に優しい、いい子だから、、、」と楽しそうに、何度も話していました。
ひ孫様(3歳くらい)が、ご新郎へチュッパチャプスの花束を渡すサプライズがあり、「あれでも、よ~役目果たしたわ」と感心され、ご披露宴をしっかり楽しんでいらっしゃいました。
式場スタッフ様の心遣いも素晴らしいものでした。おじい様・おばあ様は、披露宴の途中で帰路につく事になっていましたが、中座のあと、披露宴会場の外で新郎新婦と祖父母様だけの写真撮影の時間を、割り出して下さったのです。
分単位で進んでいく結婚式の進行を変更するのはなかな大変だったと思いますが、「せっかく遠方から来てくださったのだから・・」と、お気遣いをいただきました。式場の方々が、お二人のことを真剣に思ってくださっていることが、ひしひしと伝わってきて本当に心を動かされました。
おばあ様は帰宅の新幹線の中で、とても良い結婚式だった、本当にきれいだった、お色直しのドレスが似合っていた、良い土産になった、と何度も何度も仰っていました。
少しお休みになられるかな?と思いましたが、そのまま起きていらっしゃいました。本当に来れて良かったと、何度も仰っていました。
帰路では、すっかりお二人ともくつろがれ、おじい様は、いろんなお話をしてくださいました。高校の先生だったそうで、先日、歩いていたら 後ろからきれいな着物のお姉さんが「先生ですね。お世話になりました。」と声をかけてきて、すっかり当時のことを忘れてしまっていたよと、聞かせてくださいました。教員になられたとき、雨の日も毎日自転車で通って大変だった事もお話しくださいました。
新幹線で奥様がお化粧室に立たれて行ってしまうと、「うちのおばはん、どこやろ?」と奥様のことを気にかけられ、とても仲の良いお二人でした。
おじい様はかなりご高齢ですが、少し年下のおばあ様と本当に仲睦まじく、こんな風に年を重ねられたらいいなあと、学ばせていただくことだらけでした。終始穏やかで、笑顔が絶えないお二人との貴重な時間は、なににも代えがたい思い出となりました。
パレスホテルのスタッフ様も、いつもにこやかに接してくださって、私たちのケアエスコートのお仕事もとても共感していただき、「大変なお仕事ですね」と声をかけてくださいました。
関西から早朝に出発し、日帰りという強行スケジュールでどうなることかと不安もありました。でも、お二人の穏やかなお人柄と、体力がおありでしたので、無事に全工程を終え、長距離の往復を完了することができました。