車椅子、着換えやお手洗い、食事など全てにサポートが必要
(前日は東京駅へお迎え→ホテルへ) 8:00 宿泊中のお部屋にてお着替え、メイクのお手伝い |
前日、地方から出てこられたので、お疲れかなと心配でした。
でも、宿泊中のお部屋に伺い、ベッドに横になっているお祖母様にお声掛けすると、
「おはよう!」と、笑顔でご挨拶して下さいました。
ベッドに横になっているうちにおズボンを着替え、
車椅子に移ってから上のお着替えをしていきました。
ホテルのベッドは高さがあり幅も広いので、
ベッドから車椅子への移乗はとても慎重になります。
1人のスタッフがベッドに上がりお祖母様の上体を起こし、 もう1人はベッド下からしっかり身体を支えます。
そのまま、抱きかかえるようにして車椅子へと移乗。
車椅子を景色が見える窓際へ移動し、お着替えを始めると、
「いいお天気になって良かったわ~!」
と、 お祖母様は空を見上げながら隅田川の歌を楽しそうに口ずさまれました。
私達も一緒に歌いながら、お仕度タイムです。
親族紹介が終わり、写真室で集合写真。
新郎新婦様が写真室に入ってこられると、新婦様の方ばかり見てしまうお祖母様。
カメラマンさんが声掛けして視線を誘導しても、
お祖母様の顔はすぐまた新婦様の方へ向いてしまいます。
そんなやり取りに、その場にいる皆が思わず笑顔!
穏やかな空気が一気に流れて、
カメラに向けられた皆様の表情は自然体で素敵な笑顔でした。
写真後は、チャペルへ移動。
お祖母様を新婦様側の一番前にご案内し、私たちはすぐ後ろの席へ。
新郎新婦様が入場されてから少し経つと、 お疲れのご様子が見られました。
お式の途中でしたが、そっと通路をとおりチャペルの外に出ました。
外に出ると、少し顔色も戻ったので、 そのままお話しながら挙式が終わるまで待ちました。
「お孫様、綺麗でしたね!!」
とお声掛けすると、
「そうでしょう!? 遠いけど、おばあちゃん、結婚式に来てねって言われてね~」
と、わざと困った様な素振りをしながらも、
とても嬉しそうな表情になっていました。
挙式後は、披露宴会場に向かう皆様とは別に、
いったんホテルのお部屋に戻り、ベッドへ。
ベッド上でパット交換後、お疲れだったのかすぐに眠ってしまわれたので、
20分ほど少しそのままお休み頂きました。
15分ほど遅れてご披露宴会場へ。
車椅子のままお席にご案内。
乾杯が済み、これからお食事が始まるところでした。
私達は、お祖母様の両サイドに座らせて頂き、
1人がお料理を細かく切り、
もう1人のスタッフがお祖母様の口元へお料理を運ぶお手伝い。
「これは○○のスープですよ」
「彩りがきれいですね~」
とお声かけしながら、 ゆっくり召しあがって頂くように心がけました。
ご披露宴の中盤、新婦様の中座は仲良しの弟様と。
お祖母様が、お孫様お2人揃っているお姿をご覧になるのは とてもお久しぶりだったそうです。
腕を組んで仲良く歩くお2人を目で追っては
「あら~いいわね~!!」
と、 手を叩きながらお喜びでした。
ご披露宴のお開きも近くなり、新婦様が涙ながらにお手紙を読まれました。
新婦様の弟様も堪え切れず涙が。
「喧嘩する相手がいなくなっちゃうもんね・・」
お祖母様は、お2人を優しく見つめながらポツリと仰り、
目からも涙が流れていました。
目元をお拭きしながら、
その時の優しい「お祖母ちゃん」の表情は今でも忘れられません。
お開き後、東京駅までご一緒し、 新幹線のホームでお見送りをさせて頂きました。
この瞬間はいつもとても寂しいけれど、 ずっと笑顔で手を振って下さるお祖母様を見たら、
いつの間にか私達も笑っていました。
笑顔で終われる1日がとても尊く、
幸せだと強く感じた私達です。
(下見の後のショットです。)