足が悪く、歩く事に不安があるため当日のみ車椅子を使用
10:00 お式場で待ち合わせ |
私たちスタッフは、会場で新婦様のお祖母様をお待ちしていました。
ご自宅からお祖母様お1人でタクシーに乗り、1時間半かけて会場にご到着。
長い道のりだったので、お疲れではないかな・・と心配で、
私たちはタクシーのそばまでお祖母様をお迎えに行きました。
「今日はよろしくお願いしますね」と笑顔のお祖母様にホッとします。
お祖母様の歩かれる様子を拝見しているとお足元は少し不安定。
お声掛けをして会場の車椅子にお乗りいただき、お控室までご案内しました。
お控室に入ると新婦様のお母様がいらっしゃり、お祖母様が無事に来られたことで安堵の表情。
「どうもありがとう、すみませんね・・」お祖母様のお国言葉がとても優しく温かく感じられました。
とてもお話好きなお祖母様は、お孫様の結婚式が嬉しくてあまり眠れなかった事など、
気さくにお話して下さいました。
しばらくすると、お祖母様はなんだかソワソワ。
私たちがお声をかけると、お手洗いに行きたいとの事でした。
参進のお時間はせまっていましたが、急いでお手洗いにご案内。
車椅子からの立ち上がりなどお手伝いさせて頂き、お祖母様もご安心されたようです。
いよいよ参進が始まり、挙式会場の神殿へ向かいます。
厳かに、堂々と歩かれる新郎新婦様。
私達はお祖母様の車椅子を少しずつ進めて行きます。
挙式が始まると、お祖母様は綺麗なお着物と少し緊張しているご新婦様を
じっと見つめていらっしゃいました。
お手に持ったハンカチで時おり目もとを拭い、感激されているご様子でした。
ご披露宴会場の入り口は少し段差がありましたので、スロープを渡し慎重に移動します。
畳の部屋を進んだ先にご披露宴会場がありました。
おばあさまは、腰をかばうようにクッションをあてがわれて時々ソワソワされていました。
クッションがどの位置に置けばお祖母様にご負担が少ないか考えながら、
時々お声掛けをしてご様子をみます。
披露宴会場のお手洗いも少しだけ段差がありましたので、
スタッフ二人で慎重にお手伝いします。
お食事はお手伝いなくご自分で召しあがることが出来るので、
私達は少し離れたところでお見守り。
楽しそうにご披露宴を過ごされるお祖母様姿がとても嬉しかったです。
ご披露宴もお開きになり、会場を後にする時、お祖母様が私たちにそっと話されました。
「花嫁姿、おじいちゃんにも見せたかったな・・」
とても“おじいちゃん子”だった新婦様。
お祖母様のご主人は10年以上前に亡くなっています。
私達はそっと、
「きっと、ご主人様も天国から見てらっしゃいますよ」
とお声をかけさせていただきました。
「そうよね」
笑顔が戻ったお祖母様を私達も笑顔でお見送りしました。