足が少しお悪いので、参進の際のご移動や、
神殿に上がる際の階段を心配しておりました。
9:00 お式場でご準備 |
挙式1ヶ月前、ご依頼がありました。
足は少しお悪いものの、明るくてお元気な方です。
それでもご高齢なので、神前式の参進や、
神殿へ入るまでの階段や段差のご移動などは、
御負担が大きいのではと心配され、
「当日は車椅子で参列してもらうので、お手伝いして欲しい」
とのご希望でした。
お式当日。
お控え室には新郎新婦さまのご家族が既にお揃いでした。
「本日は誠におめでとうございます」
とご挨拶して入室すると、
椅子に座っているお祖母さまが、笑顔で手を振って下さいました。
待ち時間はお話し。
お祖父さまとお祖母さまも、明治神宮でご結婚されたとのこと。
「だからお孫様も明治神宮にしたんですね~」とお聞きすると、
「そうだったら嬉しいわね。でもどこでだって嬉しいのよ~」とニッコリ。
「そうだな」とお祖父さまも笑顔。
緊張感漂う空気が和らぎました。
神殿への参進が始まる前に、念のためお手洗いへ。
控室に戻る前に、鏡の前でお洋服や髪を念入りに整えます。
「この髪飾りどう?変じゃない?」
「とってもよくお似合いですよ!
お孫様も素敵で嬉しいですよ、きっと」
そうお伝えすると「ありがとう」と鏡越しに笑って下さいました。
控室に戻り、荷物を持ちエレベーターで1Fへ。
車椅子用のスロープを進み外に出ると、
列の一番後ろにつき、
遅くなりすぎず、速くなりすぎず、
皆さまの歩くペースに合わせて車椅子を進めていきます。
5分ほどの参進で神殿に到着。
神殿に入るには7段ほどの階段があり、
何名かのご高齢のご親族は、上るのがとても大変そう。
転びそうで目が離せず、
急遽1名のスタッフにはそちらのサポートをお願いし、
私は式場のスタッフ様と、
車椅子を持ち上げ、階段をのぼります。
神前式なので、伝統な結婚式で進行しながら、
常にご様子を確認。
挙式後、私は式場スタッフさんと車椅子を持ち上げ階段を下り、
もう1名はご高齢のご親族のサポートを。
参進で来た道を再び同じように進み、集合写真の場所へ。
集合写真の場所までは、砂利道が続き、
車椅子移動も、杖を使われる方にも危ないポイントですので、
先ほどと同じように、2人分かれてのサポート。
お祖母さまを指示された場所へお連れし、
お洋服や髪の毛を整えその場を離れて見守ります。
その後、バスでご披露宴会場にご送迎です。
朝一度お手洗い行かれただけでしたので、
「行かれませんか?」とお声かけし、
車椅子用のお手洗いにお連れしお手伝い。
ご披露宴会場は、お席にお連れし、
車椅子からイスへのご移動をお手伝い。
テーブルとの距離を調整し、きちんと座られたのを確認。
小声で御挨拶し、会場を静かに退室しました。
小声で挨拶した際、
「他の家族もみてもらい、お手伝い頂いて本当に助かりました」
と嬉しいお言葉をいただきました。
挙式だけの、時間としては3時間という短いお手伝いでしたが、
とても濃くて、皆様との距離がすごく近く感じられた時間でした。
それだけに、
「今頃楽しく食事されてるかな?」
「お手洗い大丈夫だったかな?」
気づくとそんな想像したり心配したり。
事務所に戻ってからも落ち着かない私でした。