ご新郎のご高齢のお母さま。体調を崩され、介護施設で生活。慣れない場所や時間でご不安にならないか心配。また、介護施設までの送迎も難しい。
12:15 介護施設に訪問、ご挨拶と準備 翌日、雅叙園にお迎えに上がり、介護タクシーで |
まずは、介護施設にお伺いしました。ご退院してからのご様子を相談員さんから伺います。それから、お母様と少しお話をし、介護タクシーで目黒に向かいました。1時間半の長旅です。
目黒雅叙園は、とても広い会場で、お母様にとっても、普段とは全く違う知らない場所だったので、少しご不安な様子でした。新郎様とあいさつをし、カギを受け取って客室に向かいました。横になっていただき、少しの間リラックスしていただきます。
それから、ドレスに着替えて、親族控室に向かいました。
挙式は神前式で、お母様は前列でしたので、何度も私たちの方を振り向き、「行かないでね」と不安そうな表情でした。「ご一緒にいますから、大丈夫ですよ」とお話しすると、安堵されたご様子でした。
披露宴は、ご家族の楽しそうな歓談が続きます。お母様には、お食事を少し召し上がっていただいたら、休んでいただくつもりでいました 。
でも、客室へお連れすると 「ご飯がまだ残っているから帰るわ・・」と仰って、皆様のいる披露宴会場に戻ることになりました。
結局、ご休憩はせずにお過ごしになりました。
新婦様が目に入ると、「お嫁さん、きれいだね」と何回も仰っていました 。
新郎様は、お母様が楽しく過ごせているか、何回も何度も、席に立ち寄ってくださいました。
いちごが好きなお母様のために イチゴがたくさんのウェディングケーキを選ばれたそうです。
お開きのあとは、また客室へ。着替えていただき、お顔を拭いて差し上げたり、お薬を飲んでいただいたりしながら、お休みになる準備をしました。新郎新婦が戻っていらしたらそのまま交代で、客室でお休みになりました。
翌日、再度雅叙園に訪問し、介護施設にお送りしました。
後日、ご新郎様からメールをいただきました。
色々と本当にお世話になりました。
当日のアルバム写真もいただきましたので、今週末には、母に見せに行こうかと思っております。
神前式では、母をうまくなだめて頂いたり、披露宴でも常に付き添っていただいたおかげで、結婚式、披露宴とも、予定通りにすべて順調に進行させることができました。
母は、当日夜は始終ご機嫌でした。あんな姿や笑顔は、数十年ぶりに見たような気がします。
このご恩は、生涯忘れることはないでしょう。本当にありがとうございました。
私たちも、安心して結婚式を行っていただくことができ、本当に心からよかったと安堵しています。本当にありがとうございました。
介護施設で生活しているご祖母様の送迎
挙式+披露宴のサポート
8:00 訪問 身支度、準備 |
お申込みをいただいてすぐに、ご祖母様のご体調がよくないとの連絡をいただき、私たちの訪問日が延期になりました。結婚式まで1週間、心配でいっぱいでした。
翌週、すっかりよくなったとのご連絡にホッとして、訪問の約束をしました。
事前訪問で、施設のお部屋に伺うと、刺し子をされていました。穏やかな笑顔です。生活の様子やお食事・薬の事を職員さんに色々と伺いました。
ご祖母様は、何もかもすぐに忘れてしまうため、娘様が「忘れないように」と、ご祖母様と私とを、一緒に写真に撮ってくださいました。
結婚式まであまり日がないので、連日のように娘様と電話でやり取りさせていただき、ご祖母様が混乱しないように、打合せを密にしました。
結婚式当日は、それまでの冬日とは打って変わり、とてもお天気の良いお日柄でした。
訪問すると、お祖母様は、ご体調も良さそうで、にっこり出迎えてくださいます。
お化粧などは、まだのようだったので、お手伝いをします。ご準備くださった、黒のドレスが良くお似合いです。身支度がきれいに整いました。
普段、室内は歩行器を使っていらっしゃいますが、当日は車椅子に乗ってお出かけです。
予約していたタクシーが到着しました。黒塗りのアルファード、食堂の窓から、手を振って見送ってくださっている方がいました。
この日は、どこを通っても桜が満開でした。
思いのほか、道がすいていたので、途中休憩をはさみ、ゆっくりと結婚式場まで向かいました。昨夜、あまり眠れなかったらしい・・と娘さんから伺っていました。
車中、静かに過ごしていただいているうちに、ゆるやかな揺れに誘われて、眠っていかれました。
式場に到着すると、打合せでお願いしてあった、プライベートルームに案内していただきました。次女様がご到着し、ご挨拶を済ませると、まもなく、親族紹介の部屋へ案内されました。
結婚式の最中は、次女様がご祖母様と一緒に行動して下さるとの事で、ご祖母様も親子の時間を存分に楽しんでいらっしゃいました。
ご祖母様も一緒に、ご家族皆さまでお出かけになることが多く、本当に仲良しで、温かい雰囲気のご家族でした。ご祖母様の笑顔がたえません。
休憩は、お化粧室の時だけで、横になることもなく、お食事もしっかり召し上がり、ご親族様とのご歓談を、結婚式を十分楽しまれていました。
時折、お忘れになったことを思い出され、「さっきは誰だか分らなかったけど、あれはうちの孫だったのよ。」と教えてくださいます。
ご祖母様に似た、クールビューティの透き通るような新婦様、本当にお奇麗でした。ご祖母様の眼にも焼き付いていらっしゃるはずです。
メゾンポールボキューズさんでは、1日1組の結婚式で貸切のため、アンティークの調度品に囲まれて、ご家族様とゆったりと時間を過ごせるのも、楽しみの一つでした。
娘様のご配慮もあり、カメラマンさんが、ご祖母様を中心に、バーラウンジなどフォトジェニックな部屋で撮影して下さり、ご祖母様も本当によろこんでおられました。
送賓の挨拶の時は、最後に並びました。
ご祖母様が、新婦様の前にくると、「おばあちゃん、ありがとう、これあげる!」。
抱えていたブーケをご祖母様にプレゼントされました。サプライズの企画でも何でもなく、お孫様の本当の感謝ですね。
タクシーの予約の時間を少し過ぎてしまいました。楽しいひと時を終え、帰路につきます。次女様ご夫婦が見送ってくださいます。
施設に戻ると「どこかへ行ってきたのかしらね?」と聞かれました。
送賓で新婦さんがプレゼントして下さった、ブーケを部屋に飾ってお見せすると、
「そう、私の孫の結婚式だったわね!」
ご祖母様の心の中には、愛情深いお孫さんの花嫁姿が、ちゃんと深く刻み込まれていました。
その後、メッセージをいただきました。
”最後まで安心して過ごすことができました。母もお姫様の様に扱っていただき満足だったと思います。細かいお願いも聞いて頂き、朝早くから遅くまでありがとうございました。”
そして、翌日、ご様子をお伺いしすると、お祖母様は、お変わりなくお過ごしのようでした。
私たちが、少しでもお役にたてたこと、本当にうれしいです!
こちらこそ、本当にありがとうございました。
遠方に暮らしている、車椅子のご祖父様。道中が心配・長距離なので疲れないように出席できるか心配。
7:00 ご自宅訪問・着替えの手伝い・持ち物の確認 |
ご祖父様は、お久しぶりに電車に乗るということで、それも楽しみにされていました。でもご家族の心配の一つでした。
ご訪問すると、体調も落ち着いておられ、この日をお元気に迎えられホッとしました。
ご自宅では、お着替えをお手伝いしました。「ネクタイかあ、久しぶりだなー」と鏡に向かって手慣れた調子で結んでいきます。
時計をちらっと見せてくださいます。時間の心配をされているのかな、と思いましたら、「孫からのプレゼントなんですよ」と嬉しそうに教えてくださいました。
この日のために、毎日毎日、ご自身でも準備を整えられてきたんでしょう。そのお気持ちに思いめぐらすと、胸が熱くなります。
自宅を無事に出発します。電車内では、足を座席に乗せて、楽な姿勢をとっていただきます。次女さまが一緒でしたので心強く、道中は、ご体調は落ち着いておられます。
最寄駅に到着しました。
プラットホームでは風が冷たく、ひざ掛け2枚が役立ちます。
かなり早めに、挙式会場に到着しました。それでも、ご親戚がだんだんと到着し、歓談して過ごされました。あと30分ほどで親族紹介がはじまるという時に、1つ変更が加わりました。
本殿でとり行われる、挙式へのご祖父様の移動は、参列者とご一緒に行列を行くことになったのです。介添えの方が別について下さり、車椅子では通れない場所だけ、スロープへ誘導してくださるということでした。
本当に良いお天気で、沿道に大勢の人が花嫁行列を見ようと、集まっています。その晴れやかで厳かな場所で、同じ空間を過ごせていただけたのは、本当に良かったと感じます。
静かで荘厳な雰囲気の中で挙式が行われます。ご祖父様は、何度か、新郎新婦の方向へ、敬意を表そうと、車椅子を向けようとされています。お手伝いしながら、ご祖父様の孫を思う心が伝わってきます。
その後は、挙式会場と披露宴会場が離れていましたので、車での移動となります。
披露宴会場に到着すると、すぐにプライベートルームへ向かいました。下肢に筋肉疲労時の軟膏を塗ってから、足をベッドの上に投げ出して、休んでいただきました。
その後、突然決まった記念写真に、笑顔で「じゃあ行くか。」と参加されました。ご休憩はもうちょっとされたほうがいいのに、、、と思いながら、お手伝いしました。
外へ案内されました。見事な日本庭園です。 ご祖父様は、カメラで撮影に一生懸命です。自由な撮影スタイルで、みなさん本当に和やかに好き好きに写真を撮っています。
披露宴開宴です。
お疲れしないか、無理をされていないかと、私たちの心配はよそに、ご祖父様は、お料理を堪能していらっしゃいました。
合間で次女様に「休んでいただかなくて大丈夫でしょうかね?」と伺うと「ここにいたほうが楽しい、って言ってるから大丈夫。」。
ほぼ、参列者の皆さんと同じペースで、一日お過ごしになりました。
電車に揺られて、帰路。ご祖父様は、満足感でいっぱいの笑顔でした。結婚式というものは、日ごろとは全く違うエネルギーを与えてくれるようで、本当に不思議です。
ご高齢で歩行が不安定、車椅子使用、当日は家族も忙しく十分にお世話ができない
10:45 美容院でお待ちあわせ |
お式とご露宴の会場が違うため、お待ち合わせ場所は元町の美容室でした。
介護タクシーのドライバーさんから連絡を受けてから10分後、お祖母様と新婦様のお父様を乗せた介護タクシーがご到着。
お着替えとお化粧も済まされ、素敵に身支度されたお祖母様は笑顔で車から降りて来られました。
お疲れのご様子はありませんでしたが、歩行が不安定でしたので、車椅子にお乗り頂きました。
美容室では、お召し物を整えたり、お化粧直しやヘアセットをお手伝いしました。
一緒にお着替えをされているご家族様と楽しそうにお話されたり、お仕度に忙しい新婦様に代わり新郎様がお祖母様と私たちにご挨拶しに来てくださったりと、終始和やかな雰囲気です。
美容室から挙式会場の教会までは介護タクシーで移動。
教会内は車椅子で移動し、お祖母様を新婦様側の一番前までご案内しました。
車椅子を降りて頂き、教会のお椅子へ。
私たちスタッフもお祖母様のお側に座らせて頂き、挙式中、立ったり座ったりする際にお身体を支えたり、しおりをめくって差し上げたりなどお手伝いしました。
終始、静かに、じっと新婦様を見つめてらっしゃるお祖母様がとても印象的で、愛おしそうに、でも、どこか寂しそうにも見えました。
お式、写真撮影後は再び介護タクシーに乗りご披露宴会場へ。
会場となるのは、3階のシルクルーム。
エレベーターがないので、階段を上って行きます。
車椅子を降りて頂き、両手で階段の手すりをしっかりつかまって頂きながら、私たちはお祖母様の前と後ろに付き、ゆっくり歩いて頂きました。
ご本人のご希望で、車椅子から会場の椅子へのご移動をお手伝い。
ご披露宴が始まるまでは、椅子でウトウトされていましたが、新郎新婦様のフォトアルバムをお持ちすると、「あら~、2人ともいい笑顔ね~!!」とお祖母様も満面の笑顔でご覧になっていました。
お食事は、ご自分でナイフとフォークを上手に使い、綺麗に召し上っていたので、私たちスタッフは、お祖母様のテーブルのお側に座ってお見守り。
新郎新婦様が中座されている間、お祖母様ご本人の希望で新郎様側のご家族へ挨拶に。
車椅子ではなく杖を使って「歩いて行きたい」と、一生懸命歩かれてご挨拶に周るお姿は、
お祖母様が新婦様を想う気持ちが伝わってきて、胸が熱くなるシーンでした。
ご披露宴もお開き近くなったので、タイミングをみてお手洗いへご案内。
お手洗い入口までは車椅子でご移動。
入口の段差に注意しながら、個室までは歩いて行かれました。
お開き後、2Fのエントランスで新郎新婦様とご両親様にご挨拶。
介護タクシーはすでに到着していましたが、なかなか新婦様のお側を離れようとされないお祖母様。
新婦様が大阪にお嫁に行ってしまう寂しさもあるんだろな、と考えると、「お車きましたよ」とお声をかけるのもためらわれる私達でした。
ご挨拶後は介護タクシーにて朝お仕度した美容室へ。
お着替えを終えて、お祖母様、ご家族様が乗られた介護タクシーをお見送り。
一日を通してあまりご自分のお気持ちを話さないお祖母様でしたが、車内から私たちに手を振って下さるお祖母様の表情は、とても幸せそうな笑顔でした。
「ああ、素敵な一日を過ごして頂けたんだな~」と、
遠ざかる車を見送りながら、私達も幸せな気持ちで満たされていました。
足がお悪く車椅子ご利用、ご移動やお手洗いのご心配あるが当日は家族が忙しくお世話できない
13:00 ご自宅へお迎え |
お式当日はとてもお天気が良く、ぽかぽかの小春日和。
スタッフ2名でご自宅へ伺うと、
お祖母様はベッドに座って私たちを待っていてくださいました。
「今日はおめでとうございます!とってもいいお天気ですよ!」
とご挨拶すると、お祖母様も笑顔で返して下さいます。
ベッドにお座り頂いたまま、お着替えのお手伝い。
少しだけ足がむくんでいるようにお見受けしたため、
立ち上っておズボンを履いて頂く際は、しっかりお体をお支えします。
メイクは少しだけご自分でされていたので、口紅とチークは私たちがお手伝いして、華やかに。
最後にコサージュをお付けすると、
「普段あまり外出しないから、こんな格好するのも久々だわ~」
と、とても嬉しそうな笑顔が見られました。
お部屋から玄関までは急な階段を下りて行くため、
スタッフがしっかりとお祖母様の身体をお支えしながらのご移動。
玄関で車椅子にお乗りいただき介護タクシーで明治神宮へ。
ちょうどこの日は、桜が満開になっていて、
明治神宮までの道中、介護タクシーの中から皆さまで外の桜を見て楽しんでいらっしゃいました。
お話好きのお祖母様は、趣味やテレビのニュースの事などたくさんお話下さって、
車内は終始楽しい雰囲気でした。
明治神宮に到着後、
お控え室までの境内の移動は砂利道や道幅の狭いところもありましたが、
車椅子を少し持ち上げるなどして移動しました。
挙式前の参進は、神殿へ行くまでに階段や段差があるので、
お祖母様だけ先に別のルートとで神殿までご案内。
神殿へ足を一歩踏み入れると、
私達スタッフも、とても神聖な気持ちになります。
お祖母様も少し緊張されているように見えましたが、
とてもご立派になられたご新郎様のお姿に感激されていました。
挙式後は、境内で集合写真です。
神殿からお写真場所までは、砂利道を移動しなければならないため、
お式場の男性スタッフ様と私達スタッフで一緒に車椅子の前タイヤを持ち上げながら、
慎重に撮影位置まで移動して行きました。
「こんなに大変になって・・、すみません」
と、申し訳なさそうな表情のお祖母様でしたが、
お写真の際は、皆さんと並んでとても嬉しそうな笑顔。
とても素敵な笑顔に、私達もつられて笑っていました。
お写真後はご披露宴のため明治記念館へのご移動。
皆様はマイクロバスで、お祖母様とスタッフ2名は介護タクシーで向かいました。
明治記念館の少し薄暗くなってきた広い庭園には、
ライトが灯り、桜の木が浮かび上って来るような見事な演出!
こちらの庭園でも新郎新婦様、ご家族様の写真撮影がありましたが、
お祖母様は、「私は、いいわよ・・」とご遠慮がち。
「皆様待っていますから、ぜひご一緒に」と私たちからお声掛けし、庭園にご案内しました。
幻想的な雰囲気の中、笑顔のご家族が揃った素敵なシーン。
何だか夢見心地で、ずっと見ていたい幸せな光景でした。
ご披露宴までの待ち時間はお手洗いにご案内。
車椅子から立ち上る際は、身体を支えたりなど少しお手伝いさせて頂きました。
ご披露宴会場は流しスタイルで、とても格式の高い雰囲気。
入口に段差はありますが、
スロープを出して頂けるので車椅子でもスムーズに移動できます。
私達スタッフは、お祖母様のお席から少し離れた所でお見守り。
ご自分で召し上れるので、食べにくそうなものや固いものをお切りしました。
少しずつですが、とても美味しそうに召し上がってらっしゃいました。
新郎様とお話する時間はあまりありませんでしたが、
お祖母様は終始楽しそうで、新郎様のハレ姿を見られたことが「本当に嬉しい」と、
何度も仰っていたことが忘れられません。
お開き後は、
新郎新婦様にお見送りされ、介護タクシーで帰路へとつきました。
少しお疲れのご様子も見られましたが、
「今日は本当にありがとうございました」
と丁寧にご挨拶してくださったお祖母様は、
今日を無事に終えられてご安心されたような、
穏やかな優しい表情をされていました。