ご新婦さまのお祖母様。普段はあまり外出されないので、慣れない場所で大丈夫か?ご体調を考え、挙式だけの参加だけど、どうやって介護施設に送るか?
12:20 会場で待ち合わせ |
新婦様のご祖母様です。普段は介護施設で生活されていて、外出をすることがあまりなく、車酔いが心配とのことでした。
行き帰りの車の中は、リクライニング車椅子を倒して横になるなどの方法をご提案し、リラックス出来るようにしていただきました。
行きは、ご家族が対応して下さり、晴れやかなお顔で到着されました。
帰りは、ケアエスコートスタッフと一緒に帰りましたが、挙式のみの参列でしたので、お疲れも見られず、笑顔で、車中から外の景色を楽しまれていました。
幸い、車酔いもなく、移動できました。
結婚式では、挙式の前に、ブライズルームへ招かれていましたので、ご挨拶へ行きました。
新婦様は、おばあちゃん子だったそうで、ご祖母様の顔を見た途端、みるみる大粒の涙があふれてきました。お祖母様が「泣いちゃダメよ!しっかり!」と、最高の言葉を花嫁様に送っていました。
結婚式の表舞台では見ることができない、ご家族だけの温かいワンシーンに、私たちも目頭がジーンとしてしまいました。
写真撮影後、挙式がはじまります。
事前の打合せでは、車椅子で前列の定位置につくのは、スペース的に厳しいとの話でした。
でも当日は、椅子の配置を工夫していただき、ヴァージンロード側の2列目、新婦のお父様の後ろにスペースを設けて下さり、挙式を間近で見ていただくことが出来ました。
挙式後は、暑い中でのガーデンパーティでしたが、ご祖母様にもぜひ出てほしいと、新婦様から聞いていました。木陰で首元を少し冷やしながら、フラワーシャワーと写真撮影に無事に参加できました。
新婦様の、「おばあちゃんに来てもらいたい!」という気持ち。
最初にお会いした時から、私たちにも伝わってきていました。
こうして、結婚式当日を迎え、無事に参列していただけたことに、私たちもあらためて、いつもの事なのですが、感激しました。
車椅子、長時間の外出にご不安がある
12:30 ご自宅でお着替え、メイクのお手伝い |
私たちがご自宅に伺うと、お祖父様が笑顔で玄関のドアを開けて下さいました。
そのまま、お祖父様に案内していただき、リビングへ入りました。
そこには、すでに昼食を終えられて車椅子に座わっていらっしゃるお祖母様。
静かにお茶を楽しんで、微笑んでいらっしゃいました。
「本日はお孫様のご結婚、おめでとうございます!」と私達がご挨拶すると、
お祖父母様が同時に「どうもありがとう!」ととても嬉しそう!
お身体のご不安からご出席を迷われていたお祖母様でした。
この日も少しご緊張されているご様子でしたが、「お孫様のドレス姿楽しみですね!!」と、お声掛けすると、「そうね~ 楽しみだわね~」と、明るい声で笑顔になられたので私達もホッとしました。
リビングからお部屋へ移動して、お祖母様のお仕度を始めました。
久し振りにお召しになるというお花の刺繍が入ったニットは、お祖母様にとても良くお似合いでした。
ズボンのお着替えのときは、スタッフ1名がお祖母様を正面からお支えして立って頂き、もう1名がズボンの着脱をお手伝いしました。
ご負担がないようにゆっくりゆっくり、お声掛けしながらお仕度です。
メイクのお手伝いを始めると、「誰かに顔をいじってもらうなんて自分の時(結婚式)以来だわ~」と、とても恥ずかしそうに笑ってらっしゃるので、私達もつられて笑います。
ご様子を見にいらっしゃったご主人も「楽しそうだね」とニッコリ。
時間通りに介護タクシーがお迎えに来たので、お祖父母様と私たちスタッフ2名でお式場へ向かいました。
お式場の2Fの車寄せで介護タクシーを降り、親族控室へご案内しました。
既に新婦様のお母様や弟様などが入室されていて、お祖父母様を温かくお迎えして下さいました。
お部屋の一番奥にお祖母様の車椅子を停め、ご親族紹介まで少し歓談されました。
お祖母様は、初めての場所で、人の多さに少しご不安になられたのか、「あなたたちは、まだいてくれるの?」とご不安そうに仰いました。
「大丈夫ですよ、ご自宅に戻るまでずっと私たちもいますよ」とお伝えすると、笑顔で頷かれました。
ご親族紹介の時は、私達はお部屋の外で待機しました。
その後、車椅子を押してエレベーターで3階に上がり、チャペルへご案内しました。
間もなくしてご親族写真のため新郎新婦様がチャペルへいらっしゃると、お祖母様は車椅子から身を乗り出し、何度も何度も新婦様の方をご覧になっていました。
お祖母様はお式だけのご出席だったので、お式の後に少しでもお祖母様と新婦様がお話しできる時間があればいいな、と私達は密かに願っていました。
挙式後はテラスでのウェルカムパーティー。
フラワーシャワーのときは、間近で新婦様をご覧になることができて、お祖母様はとても嬉しそうでした。
ドレスにそっとかけるように花びらを手放すお祖母様の姿には、新婦様を想う優しい愛情を感じて、私達もあたたかい気持ちになりました。
ウェルカムパーティーの終わり間近、私達は式場スタッフさんに、新婦様とお祖母様でお写真を撮って頂きたいと伝えました。
お祖母様を新婦様のおそばへお連れすると、
「おばあちゃん、暑い中ありがとう!」
と新婦様からお祖母様へ、とびきりの笑顔が向けられました。
私達は離れたところで待機していたので、お祖母様の表情は分かりませんでしたが、少し目頭を押さえているように見えました。
お式後、お祖父様とご家族に見送っていただき、お祖母様と私達スタッフは一足先にご自宅へ戻りました。
帰り際に、「今日は本当にありがとう! お陰様で無事に行くことが出来たわ~ 」とお祖母様は、私達に仰って下さいました。
最初はご不安で行くことさえ迷われていたお祖母様でした。
もしかしたら本当に「行かない」という選択をされていたかもしれない・・
そうなっていたら、こんな嬉しそうなお祖母様の笑顔も見られなかったんだ・・と思ったら、今こうして拝見しているお祖母様の笑顔がとても尊くて、嬉しくて、幸せで、お手伝いできて本当に良かったと心から思いました。
お足もとが不安定、当日忙しいご家族に代わり身の回りのお世話をお願いしたい
15:00 レストランでお待ち合わせ |
レストランの入り口でお待ちしていると、タクシーから笑顔で降りてこられました。
お祖母様は、普段は杖を使ってお一人で歩いていらしゃいます。
でも、レストラン入り口や通路などの段差、2Fの更衣室へ行くための20段ほどの階段があります。
危険なので、私達スタッフがお身体を支え、お声掛けしながらゆっくりご移動頂きます。
更衣室でお着替えしながら、「スラックスが良いかしら?スカートかしら?」と鏡を見ながら悩んでらっしゃるお祖母様。
とても楽しそうに見えました。
挙式までお待ちいただくスペースには、新郎新婦様のお写真がたくさん飾られていました。
お祖母様も一つ一つゆっくりご覧になりながら、新婦様やご家族との想い出話を聞かせて下さいます。
挙式はガーデンチャペルにて。
お祖母様を一番前のお席にご案内。
少しお寒い様でしたので、膝かけをおかけしてから、私達はチャペル後方で、お見守り。
夕方のお式でしたので、ガラス窓からは夕日が差し込み、新郎新婦様のお姿がオレンジに包まれる光景は、とても幻想的でした。
挙式後はガーデンチャペルにてお写真撮影。
新郎新婦様とご両家の皆様でのお写真の後は、新婦様のご希望でお祖母様と2人だけでのお写真撮影。
「おばあちゃん、来てくれてありがとね!」
「おめでとう!!!綺麗ね~~!」
そんなお2人のやり取りを見て、ご家族や式場のスタッフ様からは自然と笑顔がこぼれていました。
新婦様の頬やドレスを撫でながら、とても嬉しそうなお祖母様のお顔は忘れられません。
ご披露宴では、お祖母様のテーブルのお近くに座らせて頂きお見守り。
お食事のお手伝いはありませんでした。
でも、新婦様のお父様、お母様がご挨拶に周られてしまうと、テーブルにお1人になってしまいます。
私達は、その間、お祖母様と色々お話をしながら過ごさせて頂きました。
ゲストの皆様と一緒に楽しみたい!
という新郎新婦様の想いの詰まったご披露宴は、楽器の生演奏や歌やダンスのある、終始楽しい雰囲気。新郎新婦様はお色直しもされず、ずっと会場内にいらっしゃいました。
お祖母様は時々新婦様の声のする方を振り返ったり、目で追ったりしながら、
楽しそうに笑ってお過しでした。
ご披露宴お開き後は、お祖母様と1階のロビーにて、お帰りのお仕度をされているご家族様をお待ちしました。
「今日は○○ちゃん(新婦様)が一番楽しんでたわよね~!」
「無事に今日を迎えられて本当に良かったわ」
幸せなお時間の余韻を楽しまれているようなお祖母様を見て、お手伝いさせて頂けて良かったと、私達も心から幸せな気持ちになりました。
お身体の麻痺で車椅子のため、お着替え・お手洗いやお食事などのご心配
8:30 ご入居先でのお仕度 |
以前一度お手伝いさせて頂き、
今回は別のお孫様のご披露宴で2度目のお手伝いになります。
ご入居先のお部屋へお伺いすると、ベッドに腰かけて笑顔で迎えて下さったお祖母様。
2ヶ月前と変わらぬ笑顔とお姿がとても嬉しくて、
「またお会いできて嬉しいです!!
私たちの事・・覚えてらっしゃいますか?」
と思わず聞いてしまった私達に、
「何、言ってるのよ~! 覚えてるわよ!」
と、笑いながら仰って下さいました。
この2ヶ月間の出来事、9月のご結婚式の事、
本日ご披露宴されるお孫様の事などなど、お話は尽きません。
1Fの素敵なロビーを抜け、3Fの美容室へ向かう前に2Fの車椅子用のお手洗いへご案内。
お祖母様は支えがあれば立つ事は出来ますが、
履きなれない靴ではバランスを崩しやすいので、
移動や移乗の際は、スタッフの1人がしっかりお身体を支え、
もう1人が足元に注意し、終始お声かけしながらお手伝いしました。
予約の時間になったのでビューティーサロンへ。
お祖母様を車椅子のままご案内。
お祖母様のヘアセット中、私たちが廊下で待機していると、
新婦様のお母様から、
「披露宴の後半に、新郎新婦から母(お祖母様)に花束とトロフィの贈呈があるので、
その際は車椅子でのサポートをお願いします」とのご依頼が。
サプライズのため、お祖母様には秘密で、との事。
なんともお祖母様想いで、あったかい演出!!
お話を伺っただけですでに感動しつつ、
お祖母様の反応を想像するとワクワクせずにいられない私達は、
喜んでお引き受け致しました。
ヘアセット後、お控え室→お写真後、2Fのご披露宴会場へ。
高砂に対して、ご家族・ご親族のテーブルが一番前というセッティング。
お祖母様も、新婦様のお姿がよく見られる席だったので、とても嬉しそうでした。
ご披露宴中私達スタッフは、お祖母様のテーブルから少し離れた所で待機し、
ご様子を見ながら、お魚やお肉料理などカットの必要なお料理の時はお側に行き、
切って差し上げたり、取りやすくお皿を近づけたりなどお手伝いさせて頂きました。
そしていよいよサプライズの時間!
この時間の前までにお手洗いにご案内し準備は万端。
私達もドキドキしながらスタンバイ。
電気が消え、
スクリーンに「グラミー賞」ならぬ「グラニー(お祖母ちゃんの意味)賞」として、
お祖母様がノミネート。
生演奏のドラムロールが鳴り響き、
最後のドン!というドラムの音と共にお祖母様の名前が呼ばれ、
お祖母様がスポットライトに照らされました。
「!!!!?・・!?ん、何、私??」
驚きながらも恥ずかしそうなお祖母様の笑顔。
大きな拍手と笑い声の起こる中、
私達は車椅子を押してお祖母様を新郎新婦様のもとへご案内。
新婦様からお祖母様へ、 大きな花束とトロフィーとそして想いを込めたハグ。
再び大きな拍手が会場を包みました。
「最高にカッコ良かったですよ!!!」と私達がお声掛けすると、
「そう!?ありがとう!」と満面の笑顔のお祖母様。
誰よりも近くでそのシーンを拝見していたからか、
はたまたサプライズの興奮冷めやらぬせいか、
私達の胸はいつまでもジンジン熱くなっていました。
帰りのタクシーでもご入居先へ着いてからも、
何度も「ありがとう」と仰って下さるお祖母様。
後日、新婦様のお母様からも「ありがとう」とメッセージを頂きました。
家族の大切さやその絆の深さとか、 幸せな気持だけでなく、
とても大事なことに気づかせて下さった皆様に、
私達の方こそ、心から感謝の気持ちでいっぱいです!!
長時間なので途中で疲れてしまうかもしれない
9:00 ご自宅でお着替え、メイクのお手伝い |
ご自宅へお伺いすると、 「いらっしゃい」と、笑顔で迎えて下さいました。
「お孫様のご結婚おめでとうございます!」 とお伝えすると、
「ありがとう!!」と更にニッコリ。
ドレスにあわせる上着やアクセサリーなどを一緒に選びながらお仕度。
とても楽しそうで、メイク中もお話が尽きません。
お祖母様は車椅子はお使いではないので、 お式場へは普通のタクシーにて向かいました。
お式場に着き、ご親族控室へ。
お歩きになる時は杖を使われるので、 私たちはお隣りに立ち、
お身体を軽く支えながらゆっくり歩きます。
お控室には既にご両家のご親族様が揃ってらしたので、 時々お祖母様のご様子を伺いながら、
ご親族紹介が終わるまで私たちは部屋の外で待機していました。
エレベーターにて、チャペルへ。
入口手前の階段は、私達が一段下の位置からお祖母様を支えるようにご案内。
チャペル内で親族写真撮影があるため、新郎新婦様がご入場されると、
お祖母様も手を叩いてお慶びでした。
そのままの素敵な笑顔でお写真撮影終了。
お祖母様に気づいた新婦様が嬉しそうに手を振ると、 お祖母様も笑顔でこたえます。
短い、たったそれだけなのに、 何だかとっても胸が熱くなるから不思議ですね。
お祖母様を一番前の席にご案内し、 私たちは一番後ろの席で待機。
挙式後、お祖母様のお席へお迎えに行くと、
「素敵なお式だったわ~!こんなの初めて!」と、 とても感動されていました。
つぎは、ご披露宴の会場へお連れしました。
新郎新婦様を幸せそうに見つめたり、ご家族と談笑されたり、
楽しそうにお過ごしのお祖母様を拝見していると、私達も嬉しくなりました。
エビのお料理やお肉料理などは、細かく切ったりして、食べやすくするお手伝いをします。
さりげなく、ご体調やお手洗いなどをお伺いしながら、 あまり行ったり来たりしない様、
ご家族だけのお時間のお邪魔にならない様に心がけました。
お色直しの再入場後のテーブルラウンドでは、 短い時間ですが、
新婦様とお近くでお話ができ、お祖母様も新婦様に何か話しかけてらっしゃいました。
お祖母様の笑顔がとても印象的な瞬間でした。
その後は、お食事の手も止まり、 目を閉じる事が多くお疲れのご様子が見られたので、
お祖母様やご家族にお聞きし、 途中で退室させて頂く事にしました。
退室前に、新婦様のご希望で、 お祖母様とツーショットでの撮影。
「おばあちゃん、大丈夫?長い時間ありがとうね!」と心配そうな新婦様に、
「大丈夫よ!本当におめでとう!」
とお祖母様も新婦様を気遣われていました。
皆に注目されて、 少し恥ずかしそうなお祖母様の笑顔が今でも忘れられません。
後日、新婦様がご披露宴でのお写真を送って下さいました。
そこには穏やかな笑顔のお祖母様とご家族様。
このお写真を見る度、
「最初は行けるとは思ってなかったから、今日行けて本当に良かった」
と仰っていたお祖母様の言葉と共に、 何度でも幸せな気持ちにさせて頂いている私達です。